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大人しく待っていた北根壊高校の不良たち。
彼らは俺たちに気づくと、顔を上げた。
「ご丁寧に、お先にお待ちとはありがたいねぇ」
「あぁ…テメェらが智司と相良か」
フランケンゴリラこと大嶽がガムを噛みながら答える。
「やっと骨のありそうな奴が戻って来てくれてやりがいがあるよ。…おっと、いつかの弱虫くんも登場か」
「うるせぇ。テメェに借り返しに来たんだよ」
鼻で笑う大嶽を睨みつける伊藤。
俺は構わず柳を見ていると、彼もこちらに気づいたようでマジマジと見つめてきた。
「ほー…知らない顔がいるな」
「役に立たねぇ真面目くんなんざ連れてきてどうした」
盾にでもするつもりか、と大嶽がバカにしたように言う。
その言葉に不良たちから笑いが上がった。
「ッ…」
「テメェら…!」
怒りで前に出ようとした智司と相良の背中を摘んで止めると、不満そうに振り返った彼らに首を振った。
…君たちの出る幕じゃないだろう。
改めて俺は彼らに視線を向けると、挑発には乗らず至って冷静な言葉で返す。
「鬼面がなきゃ分からないのか?一発殴れば思い出すと思うけど」
俺の声を聞いて、二人は目を見開いた。
「その声…まさかテメェ…」
「おおー!鬼じゃーん!!ラッキー!まさか来てくれるとはねぇ!」
驚く大嶽とは違い、柳は面白くなってきたと言いたげに両手を広げてアピールをしている。
「…随分気に入られてんな」
「嬉しくはないよ」
伊藤の乾いた笑いに、俺はダルそうにそう答えると腕を組んだ。
「ようやくその顔が見れたなァ。…あー、でも馬乗りになって面剥ぐ楽しみが無くなっちなった」
「何言っても癪に障る言葉にしか聞こえないんだから、ある意味才能だな…君」
「褒めてくれてんの?嬉しいねぇ〜」
「褒めてない」
言葉のチョイスとニタニタ笑いがいちいち癪に障る。
すると突然、俺は相良に引っ張られて後ろに隠された。
「オメーよォ、コイツに喋りかけんな」
物凄く不快そうな声。
手首を握られた手の力が強い。
「狂犬様がお怒りでガウガウ吠え面かいてやがるぜ。…飼い主の一人も守れねぇくせに」
「抜かせ。テメェは俺がぶっ潰して、二度と面見せらんねぇようにしてやる」
「ハッ!そりゃあ困るな。そこの次期組長さんには、俺が少年院から戻った後の就職先として口利きしてもらわなきゃならねーんだ」
「君らの学校は冴輝組の縄張り下だ。あっちに頼めよ」
「冴えねぇオッサン組長より、アンタの下についた方が楽しめそうだろ?」
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黒のコ屋(プロフ) - ぬんさん» ご感想ありがとうございます!ろ、六週目ですと!?なんと素敵なんだぬんさん!とっても嬉しいです〜!最近シリアスばかりでキュンキュン要素が不足しておりますが、需要があれば番外編とかでたくさん作りたい…!引き続き頑張りますね!ありがとうございました^^ (2023年1月19日 11時) (レス) id: ec11750d33 (このIDを非表示/違反報告)
ぬん(プロフ) - 神作品をありがとうございます……(;´༎ຶٹ༎ຶ`)現在六週目です。相良くんと片桐くんにキュンキュンしながら見てます(ง ◜௰◝ )ว応援してます!!!!! (2023年1月17日 7時) (レス) @page45 id: 06c201b8c1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:黒のコ屋 | 作成日時:2022年11月2日 17時