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67話
「智司ィ。数で勝負すっか」
「なに賭ける」
「来月の給料３分の１」
カチコミとテツの仕事ぐらいでしか拳を使わない二人は随分溜まっていたんだろう…なんだか楽しそうだ。
「ヤクザの給料っていくら貰ってんだ？？」
無粋な質問をした伊藤。
後ろの開久連中も気になってソワソワしているようだが、俺は黙って人差し指を口元に寄せた。
カタギには教えられないよ。
カメレオン
「賭けはいいけど、あんまりハデにやらないでね。救急車呼べないし、警察が来たら俺たちは逃げなきゃいけないんだから」
「わーってるってぇ。心配すんな」
ホントにわかってんのかな…。
「ん？」
突然、伊藤がキョロキョロと俺の身体を見回った。
そしてミョーンと腕を上に延ばされる。
なんだなんだ。
「オメー顔隠さなくていーのか？」
顔…。
あぁ、鬼面のことか。
「今日はお休みだよ。あちらさんはもうすでに俺の事知ってるみたいだからね」
「えっ、なんで？」
「多分冴輝組かな」
「はぁ…大変だな、オメーも」
同情してくれる伊藤。
フフッと笑う。
「今回は間違えて俺のこと殴らないでね」
「うっ、気ィつける…」
一学期の開久乗り込みの事を思い出したのか…本当に申し訳なさそうに俯く伊藤。
そこまで深く反省しなくてもいいのに。
「………………」
「なんだよ」
じっと見つめていると、伊藤が首を傾げた。
「いや、大したことじゃないよ」
君は…随分普段通りに接してくれるんだな。
「なんだよ気になんだろ！」
「何でもないよ」
「何でもなくねーよ！」
「君もしつこい男だな」
「オメーこそ」
どうやらあの荒治療は、彼にとって遺恨にはならなかったらしい。
少しホッとした。
「おい。テメェら見つめ合ってんじゃねぇぞ」
「は？別に見つめ合ってなんかねーよ…いでっ！」
「あ、こら相良蹴るな！」
足癖の悪い彼を止めに入ると、そのまま腕を引かれた。
伊藤から離されて、ちょうど智司と相良の間に立たされる。
「テメェの場所はこっちだろうが」
「右寄りで歩こうが左寄りで歩こうが大して変わんないだろ」
まぁ、それで君の気が収まるのなら言うことを聞くが…。
「おい、着いたぜ」
そんなくだらないやり取りをしている間に廃工場へ着いたらしい。
津谷第一工場。
借金にまみれて夜逃げしたこの廃工場には、まだまだ置きっぱなしの資材や重機がそのままになっている。
「入るぞ」
智司と相良を先頭に、薄暗い工場内へと足を踏み入れた。
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黒のコ屋(プロフ) - ぬんさん» ご感想ありがとうございます！ろ、六週目ですと！？なんと素敵なんだぬんさん！とっても嬉しいです〜！最近ｼﾘｱｽばかりでｷｭﾝｷｭﾝ要素が不足しておりますが、需要があれば番外編とかでたくさん作りたい…！引き続き頑張りますね！ありがとうございました^^ (2023年1月19日 11時) (
レス) id: ec11750d33 (このIDを非表示/違反報告)
ぬん(プロフ) - 神作品をありがとうございます……(;´༎ຶٹ༎ຶ`)現在六週目です。相良くんと片桐くんにキュンキュンしながら見てます(ง ◜௰◝ )ว応援してます！！！！！ (2023年1月17日 7時) (レス) @page45 id: 06c201b8c1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：黒のコ屋 | 作成日時：2022年11月2日 17時
