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73-2 ページ47

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俺が照れた事に気づいたらしい。
クックと笑って少し乱暴めに頭を撫でられた。

「行ってくる」
「行ってらっしゃい」

離れていく手が少しだけ名残惜しい…。
そんなことを思いながら、三人が車に乗り込んで数台の護衛車と共に動き出すのを見送った。


「「「「いってらっしゃいませ!!!」」」」


組員たちの見送りの声が響く。
車が見えなくなるまで見送り、一つ息をついた。

気持ちを入れ替えたところで、相良に振り返える。

「俺たちも行こうか」
「………………」
「相良?」

なんでそんなにじっと見る。

「オメー」
「ん?」
「智司のこと好きだろ」
「は?」

なんだ唐突に。



「さっきのキス、嬉しそうに見えた」

「………………」



思わずアホ毛が立つ。

「何度も言ってるけど、君ら顔が良いから恥ずかしいんだって」
「本当にそんな理由か?」

頬に添えられた手。
じっと見つめてくる瞳。

「なぁ、A」

相良が無表情すぎて何を考えてるのかわからない。
答えに困って無視するように家の中へ戻ろうとしたら、突然腕を掴まれてすっぽりと胸の中に収められた。

「!」

ぎゅぅう…と逃げられないようにロックがかかる。



「まじで嫉妬してんだけど」



強めのハグに、男物の香水の匂い。
煩い胸の鼓動に気づかれないよう、息を止めた。

ただでさえ智司の所為でポーカーフェイスが崩れかけてるのに、君まで追い打ちをかけるのか。



「ッ…知るか!」

ドンッ



荒めに胸を押し返すと、仕返しにドスッと軽く1発横っ腹殴って、さっさと家に逃げた。

(平常心…平常心…)

できるだけいつも通りに振る舞って、ギンが用意してくれた夕飯を食べる。
しのぎ支度を済ませて少しすると、テツの部下が迎えに来てくれた。
テツとギンに見送られて、相良と二人車に乗り込む。
今日は珍しく護衛車が2台ついてきた。…多分八島対策かな。

(それと)

どうでもいいけど、わざとらしく隣に乗ってきた相良が不必要に俺の薬指を絡めてくるこの状況は何なんだろう…。
さっきの仕返し?

(だとしたら相当性格が悪い)

振り払えば、多分指折られる…。
ほんのり漂う不機嫌なオーラに、俺は何も言えないでいた。

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作品ジャンル:恋愛
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黒のコ屋(プロフ) - ぬんさん» ご感想ありがとうございます!ろ、六週目ですと!?なんと素敵なんだぬんさん!とっても嬉しいです〜!最近シリアスばかりでキュンキュン要素が不足しておりますが、需要があれば番外編とかでたくさん作りたい…!引き続き頑張りますね!ありがとうございました^^ (2023年1月19日 11時) (レス) id: ec11750d33 (このIDを非表示/違反報告)
ぬん(プロフ) - 神作品をありがとうございます……(;´༎ຶٹ༎ຶ`)現在六週目です。相良くんと片桐くんにキュンキュンしながら見てます(ง ◜௰◝ )ว応援してます!!!!! (2023年1月17日 7時) (レス) @page45 id: 06c201b8c1 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:黒のコ屋 | 作成日時:2022年11月2日 17時

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