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「それより暑くないのか?休日まで開久の制服で揃えなくて良かったんだぞ」
「はぁ〜!?バカ言え!こりゃ保険だよ!ほ・け・ん!」
「保険?」
「もし智司さんや相良さんの仕事手伝うことになったら、私服じゃ締まらねぇじゃねーか!」
「おうよおうよ!」
「ばーか。テメェらとはいえ、しのぎに学生なんざ連れた日にゃ、他の兄さんたちから笑いモンにされちまうわ」
「「「さ、相良さぁ〜ん…!」」」
べぇ、と舌を出す相良に泣きつく不良たち。
俺と智司はこっそり笑った。
「お、そういやA」
「ん?」
「こないだ東京もんのヤクザに絡まれてたろ。その後どうなったんだ?」
久保の質問に、同じく気になっていたらしい数名が俺の方を見た。
「今の所はどうもないよ。でも、ケジメはつけるつもりだから近々組同士でやり合うことになるだろうね」
「ってこたぁ智司さんも相良さんも抗争ってやつやんのかよ!?」
「ヤクザの車で建物突っ込んだり!?」
「日本刀とかでバッサバッサやったり!?」
「「「「「ピストルでバンバン撃ったり!?」」」」」
「…君らのそのヤクザインプレッションはどこから来るんだ」
車はよく突っ込むけどね。テツが好きだから。
「じゃあどんな事するんスか?」
「あ、俺も知りてぇ」
「俺も!」
この手の話題に興味があるのか、少し離れた場所にいた不良たちも近くへ集まってくる。
知ってどうする気なんだ。
「基本的に君らの喧嘩と変わらないよ。鉄パイプとか手近なものは適当に使うけど」
「刀は?銃は??」
「ほぼ使わない。殺傷能力高いし、もし不要な殺しをしたら警察に目をつけられるからね」
「じゃあ映画やドラマで見るヤクザの抗争って…」
「あまり現実的ではないね」
見てる分には面白いけど。
「でも、実際使うかどうかは別として、銃も刀も持ってるよ」
最後の一言に「おお!」と歓声が上がる。
見てみたいという待望の視線を苦笑いで受け流していると、突然来客のベルが鳴った。
「ん…誰だろう?」
「俺が行ってくる」
智司が立ち上がり、対応に向かってくれた。
…組員の誰かだろうか…?
(ギンやテツなら勝手に入ってくるだろうし…)
そんなことを考えながら智司の向かった玄関の方へ視線を向けていると、ずいっと目の前に半分に切れた和菓子が現れた。
相良からだ。
「やる」
「口に合わなかったか?」
「いや、朝飯食いすぎた」
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黒のコ屋(プロフ) - ぬんさん» ご感想ありがとうございます!ろ、六週目ですと!?なんと素敵なんだぬんさん!とっても嬉しいです〜!最近シリアスばかりでキュンキュン要素が不足しておりますが、需要があれば番外編とかでたくさん作りたい…!引き続き頑張りますね!ありがとうございました^^ (2023年1月19日 11時) (レス) id: ec11750d33 (このIDを非表示/違反報告)
ぬん(プロフ) - 神作品をありがとうございます……(;´༎ຶٹ༎ຶ`)現在六週目です。相良くんと片桐くんにキュンキュンしながら見てます(ง ◜௰◝ )ว応援してます!!!!! (2023年1月17日 7時) (レス) @page45 id: 06c201b8c1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:黒のコ屋 | 作成日時:2022年11月2日 17時