71-4 ページ39
.
奴さんは、コイツが悠長に学生生活送ってることも知ってるらしい。
銀龍会と対峙した時に、近辺のヤクザどもが情報を拡散したんだとか。
「じゃあやっぱ銀龍会と関わらなきゃよかったじゃねーか」
「そうでもないよ。最高の付き人が二人も手に入ったんだから」
銀龍会の名前聞いて顔逸らしてた相良が、Aの言葉を聞いて目を見開く。
二人の目が合って、Aが笑った。
(…いや、どー見てもよ)
俺らに向ける笑顔とは違ぇんだよなァ。
元開久コンビにしか向けねぇあの顔。
アイツ、自分でそれに気づいてんのかな。
俺で気づくってことは、伊藤も理子も勿論気づいてて、理子なんかはニコニコ嬉しそうに見守ってやがる。
(変な顔)
「ごめん、ちょっと待って」
急にAが足を止めた。
「ん？」
「A、どうした？」
俺らを無視して辺りを見渡すA。
かと思ったら、いきなり路地に突っ込んでった。
「ちょ、おい！」
Aを追って俺たちも路地に入ると、少し先にある居酒屋横の細道を曲がって奥に進んでく。
説明なしかよ！
しゃーねぇからそのままついてくと、袋小路でリーマンに因縁付けてる柄シャツの輩二人を見つけた。
「うぉ！？おめーアンテナでも付いてんのかよ！すげぇな」
「感心してどーすんだよ。…おいA、手ェ貸すか？」
「いいよ。二人なら大したことな―――あっ」
Aより先に、相良のヤローが突っ込んでった。
「うお！？ンだこいつ！」
「俺らを誰だと思ってやがるクソガキ！」
「あぁ？知るかボケ！！」
蹴り一発。アッパー一発。
あっという間に二人とも倒しやがった。
もうピクリともしてねぇのに、追い込みの蹴り入れてやがる。
「アイツが輩やん？」
「否めない」
絡まれてたリーマンが怯えてんぞ。
二度と這い上がれないぐらいには痛めつけて気が済んだのか…相良が戻ってきた。
「おい、A…じゃねぇA。こいつら冴輝組のチンピラだぜ」
「あそこも統率できていないというか何というか…」
ため息交じりの言葉に、俺らは顔を見合わす。
冴輝組って、たしか千葉の二大ヤクザの一つだよな。
ってことは、アイツらヤクザの下っ端かよ。
手ェ出さなくてよかった。
「最近は不良よりヤクザが目立つな」
「言ってくれるな。汚点だよ」
前回Aが攫われた事件から、ここぞとばかりにA組の縄張りをついてくる輩が増えたらしい。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 62人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
黒のコ屋(プロフ) - ぬんさん» ご感想ありがとうございます！ろ、六週目ですと！？なんと素敵なんだぬんさん！とっても嬉しいです〜！最近ｼﾘｱｽばかりでｷｭﾝｷｭﾝ要素が不足しておりますが、需要があれば番外編とかでたくさん作りたい…！引き続き頑張りますね！ありがとうございました^^ (2023年1月19日 11時) (
レス) id: ec11750d33 (このIDを非表示/違反報告)
ぬん(プロフ) - 神作品をありがとうございます……(;´༎ຶٹ༎ຶ`)現在六週目です。相良くんと片桐くんにキュンキュンしながら見てます(ง ◜௰◝ )ว応援してます！！！！！ (2023年1月17日 7時) (レス) @page45 id: 06c201b8c1 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：黒のコ屋 | 作成日時：2022年11月2日 17時
