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70話
夕食時。
全員が揃ったその席で、俺は下校中にあった事を話した。
「八島賢介だと…？」
「うん」
八島の名前を聞いて、案の定黙り込んだ叔父さんたち。
「叔父さん」
「あぁ？」
「皆、何か知ってるんでしょ？」
「「「！」」」
俺の言葉に面食らう顔が三つ。
その内の一人である叔父さんは、横目でテツを確認するとあからさまに重いため息をついた。
「裏切り者がいやがったな」
「うっ…」
ダラダラと冷や汗を掻いて大げさに俯くテツ。
…自分でバラしてどうするの。
「それで？」
叔父さんの視線を奪う。
「八島賢介は、俺と何の関係があるの」
じっと俺を見つめる目。
しばらくして叔父さんは鼻で一つ息をつくと、持っていた箸を置いて口を開いた。
「おめぇの母親を焚きつけたのが…八島賢介だ」
カメレオン
「鳥羽散会の会長が話してた事を覚えてるか？」
「妙な弁護士と水商売風の女が事務所に来た、って話だよね」
「あぁ。…水商売風の女ってぇのはおめぇの母親で間違いねぇだろう。それを連れた妙な弁護士ってのが、八島組お抱えの弁護士団と関わりのある男だとわかった」
「………………」
「玖仁会の力借りてある程度の事ァ調べがついたんだが、証拠が少なすぎて手を出すに至らねぇ。俺ァてっきりこのままシラ切って逃げるかと思ってたんだがな…」
叔父さんはズッとお茶を啜った。
「俺に何の利用価値があるんだろう」
「…さてな」
こういう場合、失敗すれば大抵証拠を消して雲隠れをするのが一般的。
じゃないと、御上に組を潰されかねないからだ。
(なのに、八島組はわざわざこんな田舎に来て俺に接触を図った)
それ相応の目的があるはず。
「…まぁ、いずれ分かることだ。それまでおめぇは下手なことすんじゃあねぇぞ」
「分かってる。もう二度と一人で勝手な行動はしないよ」
「…“一人で”？」
「最低限、頼りある付き人二人を付けるからさ」
ワザと笑ってそう言えば、アルが凄みのある笑顔で隣にいる智司たちに「お嬢が下手なことをしたらすぐ私に報告してくださいね」って脅してた。
二人が顔を引きつらせている。
「お嬢」
そこに、ギンがそっと手を上げた。
「八島組の対策に、しばらく登下校時も護衛を付けませんか？」
「護衛？」
「えぇ。智司と猛の二人なら、しのぎは我々でどうにか分散できますので」
「それはいい案ですね。私も賛成です。今回の相手はこちら側の人間。三橋くんたちに頼るわけにもいきませんから」
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黒のコ屋(プロフ) - ぬんさん» ご感想ありがとうございます！ろ、六週目ですと！？なんと素敵なんだぬんさん！とっても嬉しいです〜！最近ｼﾘｱｽばかりでｷｭﾝｷｭﾝ要素が不足しておりますが、需要があれば番外編とかでたくさん作りたい…！引き続き頑張りますね！ありがとうございました^^ (2023年1月19日 11時) (
レス) id: ec11750d33 (このIDを非表示/違反報告)
ぬん(プロフ) - 神作品をありがとうございます……(;´༎ຶٹ༎ຶ`)現在六週目です。相良くんと片桐くんにキュンキュンしながら見てます(ง ◜௰◝ )ว応援してます！！！！！ (2023年1月17日 7時) (レス) @page45 id: 06c201b8c1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：黒のコ屋 | 作成日時：2022年11月2日 17時
