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「AAに会いに来た」
「そう。残念ながら今はAダンソウメイっていう生徒だから、ヤクザに絡まれる謂れはないよ」
「………………」
「AAに会いたいなら、筋通して会合仕掛けにくれば」
それだけ言って背を向ける。
八島が俺を止めようと肩に向かって手を伸ばした。
「おい」
三橋がそれを払う。
二人はギロリと睨み合った。
「…オメー知ってっか。安易にコイツに触ると、千葉最強軟葉高校の頭と元開久のクソ番長からぶっ飛ばされるハメになるんだぜ」
三橋に続き、伊藤も拳を鳴らしながら八島たちを睨みつける。
「威勢のいいツッパリどもだな」
八島の後ろで「オイコラァ!!」と銀バッジの組員が駆け寄ってきた。
「テメェ!その汚い手をさっさと退け―――ゴツッ!…ドサァ
三橋の足蹴りで一瞬にして組員一人が沈んだ。
さらに二人襲い掛かってきたところを、伊藤の拳と三橋の拳で一発ノックアウト。
「うがっ…ぅ…」
「げほ…っ…」
三橋は蹲っている二人を見下ろして粗めの鼻息を吐くと、今度は真っ直ぐ八島を睨みつけた。
さっきまでヤクザにビビってたくせに。
思わずフッと笑みが零れる。
そうして、俺は二人の前へ出た。
「八島、ここはA組の縄張りだ。これ以上やるなら、総出で潰すぞ」
ポケットからメリケンを取り出して装着する。
「学生風情がたてつくのか?」
「うちと提携してる店の店主が今電話してる。すぐA組が来るさ」
八島がちらりと周りに目を向けた。
鉄板焼き屋の扉から隠れてこちらを見ている店員たち。
本屋の店主は二階の窓から受話器を握りながら様子を伺っている。
「…フン」
八島は後ろの二人を見て、最後に俺を見ると、控える自分の部下に手で指示を出した。
「機を改めよう」
「そうしろ。…それから今度から歩くときはバッジを外せよ。常識だろ。次見つけたら玖仁会使って梶雄会もろとも潰しに行くからな」
八島が笑いながらバッジを外す。
それにならうよう他の組員もバッジを外した。
「近々、また会いに行く」
やってきた白い外車。
それに八島が乗り込むと、後ろのもう一台に残りの組員が乗って一緒に去っていった。
「千葉が終わったら今度は東京か…。オメーも大変だな」
「それは君も同じだろ。千葉最強で止まらず全国に行くんじゃなかったっけ?」
「あたぼーよ。東大に入るぜ、俺は」
「ぜってー受かんねぇよ」
「やる前から本人のやる気折ってんじゃねぇぞ。伊藤」
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黒のコ屋(プロフ) - ぬんさん» ご感想ありがとうございます!ろ、六週目ですと!?なんと素敵なんだぬんさん!とっても嬉しいです〜!最近シリアスばかりでキュンキュン要素が不足しておりますが、需要があれば番外編とかでたくさん作りたい…!引き続き頑張りますね!ありがとうございました^^ (2023年1月19日 11時) (レス) id: ec11750d33 (このIDを非表示/違反報告)
ぬん(プロフ) - 神作品をありがとうございます……(;´༎ຶٹ༎ຶ`)現在六週目です。相良くんと片桐くんにキュンキュンしながら見てます(ง ◜௰◝ )ว応援してます!!!!! (2023年1月17日 7時) (レス) @page45 id: 06c201b8c1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:黒のコ屋 | 作成日時:2022年11月2日 17時