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黙ってその場を後にする。
開久の不良たちは追いかけてこなかった。
道を曲がったところで、ふと三橋がため息を溢す。
「オメーは不良ホイホイか」
「は？」
「柳もオメーのこと気に入ってたもんな。智司と相良にとどまらず、開久丸ごとその気にさせるなんて、もはや不良どころじゃねーよ。悪者ホイホイだろ」
「悪者ホイホイ…」
否定できないところが辛い。
三橋にずっと頭を掴まれたまま本屋の角を曲がろうとしたその時。
ドン
出会い頭に誰かの手が俺の胸を押しとどめた。
驚いて顔を上げる。
「！」
黒スーツを着た男。
あからさまに一般人ではない雰囲気を漂わせている。
男の後ろに控えている四人も同じものだろう。
ジャケットには組員のバッジ。
ヤクザで間違いない。
「AAだな」
俺を止めた男がそう問うと、三橋がこそっと俺に耳打ちした。
(どちらさま？)
(さぁ？千葉のヤクザじゃないのはたしか)
(ヤクザは決定なンかよ)
(そうだね。…どうする？)
コソコソ二人に確認を取ると、逃げるが吉かなーって顔をされた。
本音を言えば、伸してバッジを一つ奪いたいんだけど。
(仕方ないか)
逃げる気満々の二人に合わせて、俺も一歩足を後ろに向ける。
三橋のタイミングで…と構えていた、その時。
「なぁ、A！」
「俺ら考えたんだけどよ。その……うお！？」
「な、なんだコイツら！？」
バタバタと数人の足音が近づいてきて、また開久連中が現れた。
逃げ足を揃えていた俺たちは、完全に出端をくじかれる。
三橋があからさまに嫌な顔を向けた。
「このボケ！！！なんつータイミングで来てんだよ！！」
「はぁ！！？」
「なにキレてんだよ！」
「うっせー！オメーらの所為で、俺らの華麗な逃亡劇が―――」
ギャーギャーと言い合いになる三橋たちにため息をつく。
さすがにこの人数で逃げきるのは無理だな…。
(さて、どうする)
ヤクザの男に向き直ると、意外にも彼は黙ってそれを見ていた。
「そう警戒するな。今ここで取って食おうと思っちゃいない」
「…。君は誰？」
「関東連合梶雄(かじお)会傘下の八島組若頭をやってる。八島賢介(やじまけんすけ)だ」
関東連合の傘下八島組って言ったら、もっぱら武闘派の過激な組員たちが集まるヤクザだ。
その若頭がなんでこんな千葉の田舎に…？
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黒のコ屋(プロフ) - ぬんさん» ご感想ありがとうございます！ろ、六週目ですと！？なんと素敵なんだぬんさん！とっても嬉しいです〜！最近ｼﾘｱｽばかりでｷｭﾝｷｭﾝ要素が不足しておりますが、需要があれば番外編とかでたくさん作りたい…！引き続き頑張りますね！ありがとうございました^^ (2023年1月19日 11時) (
レス) id: ec11750d33 (このIDを非表示/違反報告)
ぬん(プロフ) - 神作品をありがとうございます……(;´༎ຶٹ༎ຶ`)現在六週目です。相良くんと片桐くんにキュンキュンしながら見てます(ง ◜௰◝ )ว応援してます！！！！！ (2023年1月17日 7時) (レス) @page45 id: 06c201b8c1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：黒のコ屋 | 作成日時：2022年11月2日 17時
