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「愛されてるな」
「なにが」
「彼らに」
「気持ち悪ィこと言ってんじゃねーよ」
智司の苦い顔に、俺はフフッと笑った。
素直じゃないな。
「なぁ」
「？」
「とりあえず飯食おうぜ。腹減った」
相良の切り出しに、空腹を思い出す。
「あぁ、そうだな。何食う？」
「駅前の中華」
「えー…デパート横の定食屋行こうよ」
俺と相良の意見が割れた。
「智司はどっちがいい？」
「俺はどっちでもいい。…じゃんけんで決めろよ」
「じゃんけん弱いからヤダ」
「ガキか」
弱いもんは弱いんだよ。
じゃんけんを構える相良に断固拒否する。
「いっそ間取って洋食食いに行きゃいいんじゃねーのか？」
「「どこが間なんだよ」」
「メンドクセーなお前ら」
怪我人優先とかとんでもないカード切ってきた相良を睨みつけていると、急に鼻を噛まれた。
「痛っ！！」と叫んで彼を批難すると、智司に片手ホールドで背中に匿われる。
「相良…」
「なんだよ智司」
「Aが痛がるちょっかいはやめろ」
「反応が可愛いんだから仕方がねぇだろ」
「なんで俺のせいなんだよ」
智司の力が強くて抜け出せないから、そのまま智司越しに文句を言う。
「はいはい。次は手加減して噛みゃいいんだろ」
「違う」
噛むなって。
「つーか、智司。そろそろ離せや」
「それに関しては同感だ。正直歩きづらい」
「お前…助けてやったのに」
顔をしかめた智司。
なんとなくさっきより力が強い。
これ離さない気か。
「智司、力強い」
「うるせぇ」
「痛がるちょっかいはダメなんじゃねーの？」
「ちょっかいじゃねえ。相良、ニヤニヤすんな」
(何でもいいけど離してくれ…)
＊ ＊ ＊
彼らの様子を見つめていた開久の不良たち。
ふと、前方に立っていた久保がポツリと呟く。
「俺…卒業したらA組に入ろうかな」
全員の視線が彼に集まった。
少しの間沈黙が続いた後、その視線は再び彼らの元へ。
どうにか智司の腕から抜け出したAが、二人の手から逃げるように駆け出していく。
「それ、いいな」
同調するように言った誰かの言葉に、それぞれが深く頷いた。
――――――
映画編、完でございます！
一作にまとまらないから「もういいや」って調子乗ったら21話もオーバーしておりましたばかやろう。
この後はオリジナルストーリーで最終章となります。
あと少しにはなりますが、最後までお付き合いいただければ幸いです。
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黒のコ屋(プロフ) - ぬんさん» ご感想ありがとうございます！ろ、六週目ですと！？なんと素敵なんだぬんさん！とっても嬉しいです〜！最近ｼﾘｱｽばかりでｷｭﾝｷｭﾝ要素が不足しておりますが、需要があれば番外編とかでたくさん作りたい…！引き続き頑張りますね！ありがとうございました^^ (2023年1月19日 11時) (
レス) id: ec11750d33 (このIDを非表示/違反報告)
ぬん(プロフ) - 神作品をありがとうございます……(;´༎ຶٹ༎ຶ`)現在六週目です。相良くんと片桐くんにキュンキュンしながら見てます(ง ◜௰◝ )ว応援してます！！！！！ (2023年1月17日 7時) (レス) @page45 id: 06c201b8c1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：黒のコ屋 | 作成日時：2022年11月2日 17時
