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「三ちゃん、我儘言わないの!それに、私たちも病院に行かないと。ダンソウメイくんはこの後お仕事でしょ?」

助け船を寄越してくれる天使。
素直に頷くと、「ほら!」と言って彼の手を引っ張った。

「馬鹿A!もう一緒に駄弁ってやんねーぞ!!」
「なんで」
「もう!三ちゃん!」

ワーワー騒ぐ三橋に一喝入れて、理子ちゃんが今井たちと一緒にその場をあとにした。
あの怪我の様子だと三橋たちは軽傷だろうが…今井はまた入院かな。

「なんであんな懐かれてんだお前」
「こっちが知りたい」

変な物でも食べたんじゃないかな、彼。

「それで、どこで喧嘩するの?開久??」
「いや、明日奴らを廃工場に呼び出す。3代目から許可貰って津谷第一工場を借りた」
「叔父さんから…?」

えぇ…随分二人に協力的じゃないか叔父さん。

(やっぱり最初から助ける気でいたな…)
「A。オメー怪我がほとんど治ったとはいえ、本調子じゃねぇんだ。無理すんなよ」
「いつでも俺らがサポートに入るから、呼べ」
「喧嘩中に呼ぶの難しくないか?」
「「呼べ」」
「…無茶言うなぁ……」

頭をポリポリと掻いてウンザリしていると、後ろにいる他の連中たちがちょっと微笑んだ顔で俺たちのやり取りを見ているのに気が付いた。
その顔やめてくれ。マジで。

「あぁそうだ。君ら、工場の場所知らないだろ?朝、うちの家に一度集まるといいよ」
「「「「「うッス!!」」」」」

決戦は明日の10時。
早速不良の一人に招待状を書かせて、彼らが集まりそうな場所に貼るよう指示を出す。
決戦前はとにかく数を減らさないよう帰り際の喧嘩は避けるように彼らへ言い渡すと、その場は解散となった。










家に戻り、服を着替えて智司と一緒にしのぎへ出る。
数日間顔を会わせなかっただけで、組員の皆にとてつもなく心配された。
あの強面で優しく声をかけられると、ギャップが酷くて笑えてくる。

飲食店を数件見回りし終え、帰路につく車の中。
車内電話が鳴り響き、出ると家にいる相良の声が聞こえた。
伊藤から電話があったらしい。

「オメーと直接話してぇんだとよ。番号言うから掛けなおしてやれ」
「わかった、ありがとう」

相良から聞き取った番号をメモし、一度電話を切ると、伊藤の家へ電話を掛ける。
ワンコールもしないうちに電話が通じた。
…もしかしてずっと受話器の前で待機してたのか?

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作品ジャンル:恋愛
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黒のコ屋(プロフ) - ぬんさん» ご感想ありがとうございます!ろ、六週目ですと!?なんと素敵なんだぬんさん!とっても嬉しいです〜!最近シリアスばかりでキュンキュン要素が不足しておりますが、需要があれば番外編とかでたくさん作りたい…!引き続き頑張りますね!ありがとうございました^^ (2023年1月19日 11時) (レス) id: ec11750d33 (このIDを非表示/違反報告)
ぬん(プロフ) - 神作品をありがとうございます……(;´༎ຶٹ༎ຶ`)現在六週目です。相良くんと片桐くんにキュンキュンしながら見てます(ง ◜௰◝ )ว応援してます!!!!! (2023年1月17日 7時) (レス) @page45 id: 06c201b8c1 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:黒のコ屋 | 作成日時:2022年11月2日 17時

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