かっこいい君とかわいくない私。 (ページ8)

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俺と君は似た者同士　side輝ページ8

中学3年生春
　俺と桃花はよく放課後に一緒にスイーツを食べに行った。
貴「ねえねえ輝！今日クレープ食べに行こうよ！」
赤「またかよー。俺今日たい焼きの気分なんだけどー。」
貴「ああー、たいやきもいいなあー。」
赤「どっちにすんだよ。しかもヨダレたらすな(笑)」
貴「よっしゃあたい焼きだ！輝、行くぞっ！」
赤「へいへい(笑)」

貴「うーん、あんこたっぷり。幸せー」
赤「単純なやつだなー(笑)」
　目の前の桃花はたい焼きの良さを語りだしている。
　…なんで無理に笑うんだよ。
　俺知ってんだぞ、昨日白馬が新しい彼女作ったって聞いてまた一人で泣いてたの。
　気を紛らすために俺を誘ったんだろ？
　友達だろ？相談ぐらいしてくれてもいいじゃん。

　…俺最低だな。中1の時、桃花が泣いてるの見たときから好きなの確信してるくせに。
　それからずっと一人で泣いてるの知ってるくせに。
　聞きもしなければ、告白もしない。
　苦しんでるのを見て見ぬふり。
　聞くのが怖い。桃花がどんだけ白馬が好きなのか知ってしまいそうだから。
　告白するのが怖い。確実にフラれてしまうから。
桃花のそばにいたいから『友達』だと嘘をつく。
　でも、桃花も一緒だろ？
　白馬のそばにいたいから嘘をつくんだろ？
　だから俺のこと許してくれよな？
貴「輝？どうしたの？帰ろ。」
赤「ああ。」

　桃花が久しぶりに帰ってきた。
　でもまた泣くんだろうな。こいつならすぐに白馬の気持ちに気付くから。
　白馬の家から出ても俺は桃花を待った。
　そうしていると予想通り桃花が泣きながら歩いてきた。
貴「ひかるっ…」
赤「送る」
　びっくりした顔をした桃花の腕を無理矢理引っ張って歩いていく。
　もう絶対一人で泣かせたりしないから。
　楽にしてやるから。
　もうちょっと嘘つかせろよ？
　もうちょっとこの位置利用するから。
　だからいつか言わせろよ？
　好き。ずるいとこも、男勝りなとこも。
　全部が可愛いって思う。
　いつかお前にもそう言ってもらえるように頑張るから。

　俺と君は似た者同士だから。
　安心して俺を頼れよな。

　君のことなら…俺は能力者になれるから。