いつかのあの花 ページ44
＊
産みの親事件から暫く経つと柱の面子もだいぶ変わった
この1年の間で新たに加わった柱は2人
派手を司る
鬼と仲良くすることを望む 花柱 胡蝶カナエ
そして…大きな変化は 天元が柱入りして暫くした頃
父上が柱を事実上 引退したことだ
炎柱は…名ばかりの柱と化している
父上は母上が亡くなってから酒漬けだ
特に最近は杏寿郎の稽古にも顔を出さなくなったらしい
家事は主に７歳になった千寿郎がまわしている
なるべく帰るようにはしているが
此れでも柱だ…融通が効かないこともある
…そんな話を 俺は胡蝶に話していた
疲れ切った顔をしていたらしく 蝶屋敷に連行されたのだ
悩みは話すと楽になる…だそうだ
だが 俺はきっと胡蝶妹に嫌われている…
今も廊下の突き当たりからジッと此方を窺っている
またひとつ 溜息をついた
「あらあら 焦凍さん…溜息をつくと幸せが逃げちゃうわよ」
『溜息も付きたくなる…柱になってもう4年だ
任務の難易度は上がるのに
俺の周りのイザコザの難易度も上がっている
何してんだろうな…俺……』
守るために…強くなったのに……
『案外…何も知らない奴からの言葉の方が届くのかもしんねぇな
俺じゃぁきっと役不足だ…
こういうの…他力本願って言うんだろうな』
杏寿郎を…千寿郎を…守りたくて入隊したのに……
これじゃあ逆に負担かけてばっかだ
『ﾊﾊｯ……なんも…守れねぇ』
「そんなことない！」
今のいままで突き当たりから覗いていた胡蝶妹が飛び出した
胡蝶は胡蝶妹の登場にニコニコといつも通りの笑みを浮かべる
正反対だな この姉妹は…
「煉獄さん…杏寿郎さんがこの前 任務後に蝶屋敷に来ました」
『……怪我か』
「ごめんなさい…口止めされてたのよ……」
「兄上にはいつも頼りきりで…
特に最近の柱は多忙だから負担は掛けたくないって…
いっつも助けて貰ってるからって言ってた
守って貰ってるって…
今度は俺たちの番だって…
だからｯ……」
胡蝶妹はそう 必死で訴えてきた
なんでお前が泣きそうになってんだか…
『…ありがとな……胡蝶妹…』
「……ねぇ焦凍さん？胡蝶は2人いるのよ？」
『……そうだな……ありがとう…カナエ…しのぶ……』
.
俺の腕の中でしのぶが眠っている
額縁に入れられたカナエの写真…
周りに添えられた供花がやけに鮮やかに見えた
『なに死んでんだよ…バカナエ……』
涙は出なかった
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ゆぎ(プロフ) - 雨色の水滴さん» ありがとうございます！頑張って考えた甲斐がありました。他の話も書いてるので是非！これからも応援よろしくお願いします!! (2021年6月9日 2時) (
レス) id: 0bf1aaca6b (このIDを非表示/違反報告)
雨色の水滴 - 轟君かっこよすぎー！！後、技名のセンスが凄いです尊敬します。（真顔） (2021年6月8日 20時) (レス) id: 5a0f0dfb22 (このIDを非表示/違反報告)
ゆぎ(プロフ) - とこよさん» いや…ちゃんと見たらアレで良いんでした…水の呼吸の横水車的なくくりです。 (2021年4月18日 23時) (レス) id: 0bf1aaca6b (このIDを非表示/違反報告)
ゆぎ(プロフ) - とこよさん» あ"！ホントだ…ありがとうございます！気づかなかった… (2021年4月18日 23時) (レス) id: 0bf1aaca6b (このIDを非表示/違反報告)
とこよ - 陸ノ舞の後にある、銀世界・告鳥って〇ノ舞とかつかないんですか？ (2021年4月18日 9時) (レス) id: 1a67d02ee8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆぎ | 作成日時：2020年5月27日 14時
