絆屋敷 ページ47
＊緑谷side＊
聞いてないよ お館様…
『豪邸やないかい』
思わず関西弁が出るほど驚いた
大正の頃と大差ない大きさである…
特に 僕の"
さまざまな理由で戦えなくなった元隊士たちの保護や
地形をを利用した道場として開放することが多かったから
蝶屋敷並み…下手したらそれ以上に規模が大きい
『…再現度が高い』
間取りもかわらず 広さにも変わったところが見られない
むしろ広くなった気さえする…
厨は器具も竈も氷冷蔵庫も全て大正仕様である
何故か 僕が好んで飲んでいた緑茶の茶葉なんかも置いてある
縁側には 小さなお社と大きな池
池の中央に架かる帳出し構造の紅い橋が 周りの緑に映える
風情ある澄んだ音を奏でる鹿威しが傾いた
人目につかない 山の中腹に建っているのも変わらない
裏に竹林もあった…
(竹って何処にでも生えてるものだっけ？)
鍛錬には申し分ない立地である
木々が多く 昼間でも木漏れ日が差す程度なので
絃葉も走り回れるかもしれない
いや…昼は寝てるか？
背嚢の中で眠っていた絃葉を 陽の当たらない部屋に寝かせて
無惨さんの居る縁側に向かった
『…粗茶ですが』
「嘘をつけ 本当は」
『一級品』
「昔から 茶に煩かったお前が粗茶を飲むとは思えんからな」
『客人に出すお茶は粗茶ですがって言って出すのは常識なんだよ
此れは何故か置いてあった』
「産屋敷だろう」
『僕が初めて輝哉さまに淹れたお茶の銘柄だった
懐かしいなぁ…』
あの頃淹れたお茶は 茶葉の旨みが湯に移らず
"色のついただけのお湯"というのが言い得て妙だった
輝哉さまは美味しいよと言って飲んでくれたのを憶えている
いつか美味しいお茶を飲ませてあげるのだと
意気込んでいたのも思い出された
始めはただ 美味しいお茶を飲ませると言う目的だったが
いつのまにか 趣味にまで発展していたのだから驚きだ
「鬼だった頃は 味など感じなかったが…
なるほど 此れは美味いな。茶に煩いだけはある」
『誉め言葉として受け取ろうかな
そういえば 童磨さんは何処行ったの』
「蟲柱のところだ」
『あぁ…』
(しのぶ姉さん…頑張って…)
無惨さんの言葉に僕は心の中で密かに手を合わせるのだった
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 169人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「ヒロアカ」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
英来(プロフ) - 本来とは違う出久くんの発言が面白いです笑更新頑張ってください！ (2020年5月1日 21時) (
レス) id: c2e895435f (このIDを非表示/違反報告)
桜 - クラスの皆と出久のやりとりがめっちゃ面白いですwww (2020年4月30日 18時) (レス) id: ced64b0a1f (このIDを非表示/違反報告)
ばなな味のあくえりあす - わぁぁぁ！！童磨と無惨様との絡み可愛いなぁぁぁぁぁ！！！ (2020年4月30日 17時) (レス) id: a72f134362 (このIDを非表示/違反報告)
ゆぎ(プロフ) - 霊奈さん» 大河ドラマ…好きなんです。多分其れの影響ですね。読んでくれてありがとうございます！ (2020年4月26日 1時) (レス) id: e1459da1b7 (このIDを非表示/違反報告)
霊奈(プロフ) - すごいいいいい。日常的に昔の言葉を使っているなんて…。初めからなんですか？それとも、調べてから使うようになったんですか…？親が使ってる可能性も…いやないな。いつも更新楽しみにしてます！！！ (2020年4月26日 0時) (レス) id: f5a435054a (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ゆぎ | 作成日時：2020年4月16日 4時
