赤眼は太陽に焦がれる (ページ9)

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漆ページ9

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鬼殺隊の再結成

無情にも…千年にも及んだ……終わらせたはずの戦いは
数百年後に再開戦の幕を開けた

不死川は隊服を着ていることから既に集まった者たちで
活動し始めているだろうことは容易に想像できた

『刀鍛冶に伝えろ
"番傘の仕込刀"を打っておけとな』

其れはかつて鬼であった爆豪が昼にも活動できるようにと
はるか昔…戦国の頃の御館様が考案した爆豪のための刀

「……戻られるのですか…鬼殺隊に……」

『戻らぬ道理もなかろうて
俺もかつては……鬼舞辻であり、産屋敷だったのだから』

爆豪の赤い瞳に迷いはなかった

『……にしても半ば鬼に覚醒してしまったからな
千切れた腕ももとに戻ってしまった

鬼の特性を悉く受け継いでいる…ということは、だ……
また陽の光で灼ける生活を送るのか……』

その為の番傘である

「……」

なんとなくだが、不死川は苦虫を噛み潰したような……
なんとも言えない微妙な顔をした

『よいよい、気にするな。千年間の習慣に戻るだけよ
とうに慣れておる』

それでも不死川は納得していないようだ

『撤収作業も終わりそうだな
萩の子よ、耀哉にも伝えておけ"赤眼が隊に戻る"とな』

"赤眼(アカメ)"

産屋敷勝己が鬼殺隊士として過ごした期間は
人間の寿命のそれを遥に上回る

しかし、隊に鬼が居ると……産屋敷代々の書に
馬鹿正直に記す訳にはいかない

そうして生み出された彼(か)の鬼の別称
首魁・鬼舞辻無惨譲りの血のような赤眼(せきがん)を揶揄った
蔑称とも言えるそれが産屋敷歴代当主の手記に記された彼(かれ)の記録

所詮、鬼は鬼だと割り切っていた彼は
自ら赤眼(アカメ)と名乗ることすらあったと言う

たった今そうだったように……

『人を喰うのは御免だからな…
何処まで前の俺に忠実なのかは知らんが
幾つか血液パックを買っておく必要がありそうだな』

と、誰に言うでもなく爆豪は独りごちた

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題名の赤眼の読みは"せきがん"ですよ