壱 ページ3
＊
部屋の主は目を覚ました
始めに目に写ったのは天井だ
陽の光に照らされる寝台の上で放心するのは
先日誕生日を迎えた爆豪勝己という少年だ
既に"爆破"という"個性"を発現しており
幼稚園の先生からはヒーロー向きの良い"個性"だと
絶賛されたばかりである
しかし 今の彼にそんなことを考えている余裕はない
彼には燦々と輝く陽の光が降り注いでいた
だというのに 身体が崩れる気配がない
果たして此れは如何いうことだろう…と
はて、今しがた俺は何を考えた…
千年生きたと考えたか？
暦を見れば 全く覚えのない歴であった
記憶からして…死んだのはわかる
ならば何故生きているのか…
俺は父(と呼ぶのは業腹だが事実故に仕方あるまい)と
己自身の罪を胸に地獄へ堕ちたのではないのか
俺は甥を看取ったあと
産屋敷の繁栄と若くしてその命を散らした誇り高き隊士たちの
幸多き来世を祈りながら太陽に焼かれて死んだはずなのだ…
そう 彼は考えた
そしてひとつの結論に達した
そうだ 此れは夢だ
と…
この身体の持ち主としての今までの記憶はある
千年の時を生き"明日 地球が滅びます"とでも言われない限り
動じることはないだろうと思っていた時期もある
鬼と化した人間をその者の家族の前で無表情に斬り捨てることが
出来るくらいには冷酷無慈悲であった自覚もある
実際は炭治郎とカナヲが祝言を挙げると報告しにきた時
鬼の目にも涙(
という具合で動じたのだが…
だがしかし…いきなり目が覚めると幼児だなんて……
そんなことある⁉!?!?(善逸風)
という心境なのである
きっと あの五月蝿い蒲公英なら泣き叫んでいた
猪突猛進猪でも叫んだだろう
石頭長男はきっと長男だから大丈夫だ…
永く生きた平安じじい(物理)は死に際に夢を見ているのだろう
でなければ俺が陽の光に当たれるはずがない…
かくして千年ぶりの陽光を浴びながら二度寝を決め込んだ彼が
数分後、部屋にやってきた女性(今世の母親)に"早く起きろ"と
鉄拳を振り下ろされ余りの痛さに悶絶し現実だと認めるのは
そう遠くはない未来のことなのである
此れは父を止めるために全てを捨てた少年が 新たな生を受け
再び人々を救ける
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極楽蝶＊(プロフ) - とても面白いです！続き期待してます！ (2022年5月11日 21時) (
レス) @page26 id: 6f7ecd9a26 (このIDを非表示/違反報告)
秋が生きやすい - 紡柱と銀柱の方も読んだのですが赤眼も良いですね！更新を楽しみにしてます (2021年12月2日 1時) (レス) @page26 id: 2baa78584c (このIDを非表示/違反報告)
秋が生きやすい - すいません、失敗しました (2021年12月2日 1時) (レス) @page26 id: 2baa78584c (このIDを非表示/違反報告)
秋が生きやすい - 想いを紡ぐと (2021年12月2日 1時) (レス) @page26 id: 2baa78584c (このIDを非表示/違反報告)
コロン - 更新楽しみに待ってます。頑張ってください！ (2021年10月19日 0時) (携帯から) (レス) id: 737802ebc6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆぎ | 作成日時：2021年1月14日 22時
