赤眼は太陽に焦がれる (ページ17)

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拾伍ページ17

＊

顔からあらゆる液体を垂れ流す我妻に
ひとまずハンカチを渡して落ち着かせる

『柱になったのか……まぁ頑張れ
お前の師、桑島慈悟郎は良き柱だったぞ』

「追い討ちかけるなよぉぉぉ!!
お館様ぁ今からでも柱降りまぁぁすｯ!!降りまぁぁす!!!!」

「期待しているよ善逸」

「あ"あ"ぁぁぁあ!!!!」

耀哉曰く今世の柱は9人ではないらしい

岩柱悲鳴嶼行冥
音柱宇髄天元
水柱冨岡義勇
風柱不死川実弥
炎柱煉獄杏寿郎
蛇柱伊黒小芭内
蟲柱胡蝶しのぶ
恋柱甘露寺蜜璃
霞柱時透無一郎
日柱竈門炭治郎
鳴柱我妻善逸
獣柱嘴平伊之助
花柱栗花落カナヲ

最後の柱に最終決戦にて活躍した4人を加えた13人体制……
これ以上増えることもないだろう…と爆豪は思う

彼ら以上に強い柱など……
それこそ始まりの剣士たちくらいだろうから…とも

「勝己さんはさ……鬼舞辻と勝己さんが鬼になったときに
此奴を殺せなかったことをすごく後悔してるんだと思う……」

爆豪が物思いに耽っていると我妻がポツリと言った

大方爆豪の音でも聞いたのだろう
聞くに耐えない酷い音がするに違いないと
爆豪は少し申し訳なくなった

そんな心境すらも読み取ったのか我妻は
聞くに耐えないとか思ってないからｯ!!と叫んだ

なにやら真剣な様子の我妻に爆豪は正面から向き合う

「でも……でもさｯ
俺は鬼がいたから柱を引退した爺ちゃんに拾われたし
炭治郎たちや怖いけど柱の人たちにも会えた

鬼殺隊の俺がこんなこと言ったら怒られそうだけどさ
鬼が居たから俺みたいなのでも生きていられた

鬼が居なかったら……きっと俺は捨て子のまま
野垂れ死んでただろうし一生モノの友人(炭治郎)たちにも…
それこそお嫁さんにだって会えてなかった

鬼は許せない……でも…
鬼が居たから俺たちは出会えたって考えたら…
少しはその後悔も……楽になったりしないかな……」

我妻は様子を窺うようにチラチラと爆豪の顔を見ながら言った

実をいうと我妻竈門そして嘴平は
それぞれ持ちうる感覚の鋭さで爆豪の心情を知っていたのだ

鬼に堕ちた父への怒りも

討つことが出来なかったことへの懺悔も

父同様に鬼に身を堕とした己への唾棄も

鬼によって大切な人を奪われた人々への負目も

積み上がる鬼殺隊士たちの亡骸への悔恨も

千年間こうして生きてきたことへの慚愧も

全て感じて取っていた

「勝己さんも鬼だけどさ……

俺は勝己さんに会えて良かったと思ってるよ」