赤眼は太陽に焦がれる (ページ15)

今日:4 hit、昨日:4 hit、合計:23,763 hit

拾参ページ15

無惨様がボロくそ言われます
ソレはちょっと……って人は飛ばして下さい
＊

「……は…爆豪は、まさかｯ……千年間ずっと…？」

『…………まぁ…そうだな』

「なんで……」

『こんな塵芥でも生みの親だからな……此奴は…』

「塵芥とは酷い言い草だな」

そう…鬼舞辻が言った瞬間に再び場の気温が2,3度下がった…
……いや…………空気が凍った

『酷い？……酷い言い草？どの口がｯ……どの口が言うかｯ!!

貴様の稚児のような癇癪に一体どれ程の人間が巻き込まれ
その人生を狂わされたと思っている!?

よくもまぁ巫山戯た口を叩けたものだなぁ!?
我が親ながら恐れ入るｯ!!

はっははっ……地獄に堕ちてなお
その様な自己中心的でオメデタイ思考回路を有しているのか!!

呆れてモノも言えぬｯ』

爆豪の瞳孔は開切り慟哭は酷く揺れていた
強過ぎる怒りからかその身体は微かに震えている

『"災害にあったと思え"？

お主赫灼の子(竈門炭治郎)にそう言ったそうだな？
俗欲に塗れた貴様が最も欲と縁遠い災害を語るかｯ

恥を知れよ鬼舞辻無惨ｯ!!
お前の業はこの俺が全て見てきた！』

いつしか爆豪の光をうつさない濁った赤い瞳からは
透明な涙か流れていた

『生は死を持って完結し、死によって生は重みを持つ
人は必ず死に尊き命は巡り巡って輝かしい未来を紡ぐ

母上も弟も、新たに産屋敷の姓を名乗り
その子孫は多くを喪いながらも千年の時を経て貴様を討ち取った

当然の帰結だ…ざまぁみろ』

そう言うなり爆豪の表情は消え失せ
力んでいた四肢は力を失ったようにダラりと垂れ下がった

『矢張りお前が鬼に堕ちたときに
相討ちになろうとも殺すべきだった…お前だけは……絶対に…

外界に放ってはならなかった
あの場で俺と朽ち果てることが最善だった

嘆かわしいな……実に嘆かわしい…

生みの親が…父上がここまで堕ちた外道だったとは
地獄に堕ちてなお変わらぬ愚か者だったとは』

しかしなにを思ったのか爆豪は脱力しきった腕に力を入れ
己の髪を目一杯掻き混ぜた

『…いや期待した俺も堕ちてなお変わらぬ愚か者だな』

涙を拭って爆豪は鬼舞辻の方を向いた

『今言ったことは全て忘れろ
勝手に期待して勝手に裏切られた気になった俺が愚かだった

お前の性格が如何に塵なのかは俺がよく理解していた
許せ血迷ったのは俺の方だ

安心しろもうお前には何も期待しない』

恐らく今までの言葉で1番酷い言葉だった