検索窓
今日:13 hit、昨日:4 hit、合計:389,684 hit

前日 ページ16

佐野くんの買い物に皆で付き合ってから二週間ほど。

ミンミンとうるさい蝉の鳴き声にも慣れてきた頃、気がつけば予定してた遊園地に行く前日の夜になっていた。


午後6時。


今年も予定通り進められなかった課題をチラッと横目にため息をつく。

そんな、あと少しで素敵な夏休みが終わりを告げようとしていた今日。

菜々香から衝撃的なメールが届いた。


“明日ね、玲於くんに告白しようと思ってる”


菜々香らしくない真っ黒な文面。
メールからでも本気だということがわかった。

もし二人が上手くいったら
今の4人の関係はどうなるんだろう?
今まで通りに過ごせるのかな?


なんて


何故か一番目に応援の言葉が浮かばなかった自分に無性に腹が立った。

応援しなきゃ、と何故か義務的に思ってる自分が嫌だった。


“そっか。上手くいくといいね”


本当に?そう思ってるの?
頑張ってって言わないの?

何故そんな問いが浮かぶのかも分からなかった。


ただ漠然と

嫌かもしれない

という曖昧な気持ちだけが胸に残った。


ピロンッ


「……タイムリーだなぁ」


タイミングの悪さがピカイチだよ。
こっちはあなたのことで悩んでるんだよ。


“暇つぶしにちょっと散歩付き合え”


佐野くんって命令しかできないの?


“暑い、嫌”


別に嫌じゃないよ。


“無理、もうすぐお前の家”


でもね


“佐野くん気持ち悪い”


最近佐野くんに会うと罪悪感が生まれるの
友達の好きな人なのにって


なのに


“ふざけんな。せっかく暇人を連れ出してやろうと思ってんのに”


話したいなんて思ってる自分がいるの


“本当に来るの?”


罪悪感とは別に
意味もなく胸が苦しくなったりするの


“当たり前”


「本当にいるの……?」


恐る恐る窓を開けた先には派手なパーカー


「おっせーよバーカ」


携帯片手に不機嫌そうな顔


「早く出たじゃん…」


こういう何気なく空いた時間に
菜々香じゃなくて
私のところに来てくれたことが嬉しいなんて
そう思ってる自分がいるの


それは佐野くんがただの友達じゃなくて
特別な友達になってきたからで
友達をとられるみたいで嫌だなって
そう思ってるってことだよね

なんて

友達だと言いながら
普段友達に対してもたない感情をもつ自分がいて。


「結局出てくんじゃん」


今佐野くんが笑顔を向ける先に


「仕方なくだからね」


私しかいないことが嬉しいなんて


ほんと、バカでどうしようもない奴。

バカ→←変



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (346 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
1254人がお気に入り
設定タグ:GENERATIONS , 佐野玲於 , GENE   
作品ジャンル:恋愛
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

ど根性みかん - このお話凄く大好きです!読んでいて切なくなります。早く続きが読みたいです!これからが楽しみです! (2019年3月19日 22時) (レス) id: c0b50274da (このIDを非表示/違反報告)
きのぴお(プロフ) - はすおさん» コメントありがとうございます!!そんなふうに言っていただけるなんて、涙が出るくらい嬉しいです(;ω;)なかなか上手く重ならない二人ですが、あたたかく見守っていただけますと嬉しいですm(_ _)m(笑) (2018年2月13日 21時) (レス) id: 03a3cd796e (このIDを非表示/違反報告)
はすお(プロフ) - んーーー!!めっちゃ読み途中で「心配」読み終わったとこなんですけどちょっと好きすぎて!!最高です!!素直になれない玲於可愛すぎます。。。主人公とのすれ違いに叫びそうになる。。。素晴らしい作品ありがとうございます、これから続き読んできます笑笑 (2018年2月13日 19時) (レス) id: 2c6c075be9 (このIDを非表示/違反報告)
きのぴお(プロフ) - かもめさん» コメントありがとうございます!!感動だなんてそんな…(;ω;) 勿体ないお言葉です(笑) これからも精一杯頑張りますので、よろしくお願い致します(*^_^*) (2018年1月25日 20時) (レス) id: b8deaede14 (このIDを非表示/違反報告)
きのぴお(プロフ) - ゆいさん» 温かいお言葉ありがとうございます(;_;) 続編ではもっと自然に現代に繋げていけるようなお話を考えていきたいと思いますので、読んでいただけますと嬉しいです(*^_^*) 勧めていただくのに恥ずかしくないような作品に頑張って作り上げていきたいと思っております(*^_^*) (2018年1月25日 20時) (レス) id: b8deaede14 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:きのぴお | 作成日時:2018年1月3日 1時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。