金木犀09 ページ9
明日は社長を交えた予算ヒアリングだ。
松潤がつくったポンチ絵はよく出来ていて、予算積算や見積書も集まった。あとは語句チェックで資料提出日の今日中に提出できるだろう。
｢あ、リーダー、チャットで送ったデータ、チェックしてもらえます？｣
｢ん、あいあい｣
デスクに戻ると、早速松潤が仕事をくれたので取り掛かる。
｢あ、松潤、さっき翔くんと会って、松潤のこと気にしてたよ｣
｢え、翔さんが？いいなあ、俺も会いたいっす｣
一通り確認して、OKっていうスタンプをチャットに送ってやる。
｢松本さん、櫻井リーダーのことほんと好きですよね｣
チームの子が話に入ってくる。そうそう、翔くんのところに絵に描いたようなイケメンが来たぞって当時から有名だった。
｢うん、あんなかっこいい人見たことない｣
｢そういえば、企画の大野さんと総務の櫻井さんって、仕事出来るし仲良いしで有名ですよね｣
松潤が続けて言う。
｢俺も総務にいた時、翔さんずっとリーダーの話してましたよ。あの人はすごいんだ、適わないって｣
｢翔くん俺のこと好きだからなあ…でも全然そんなことないでしょ｣
｢いや、大野さんの発想力も、決断力も、あとコネクションも他の人とは頭1つ抜いてますよね、あんま大きい声で言えないけど｣
｢わかる、私も同期に羨ましがられました。｣
なんだかいつになく褒められるので、擽ったくて笑ってしまう。
えーなんか奢ればいいの？っていうと、お願いします！て返事が来るんだから面白い。
｢でも、何が面白いって大野さんも翔さんのことすごい褒めてるってところなんだよな｣
松潤がいうと、チームの子が｢相思相愛じゃないですか｣って笑った。
さすがに恥ずかしいので、もう仕事してくれって言った。
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作者名：楽斗 | 作成日時：2021年11月6日 0時
