青い胡蝶蘭05 ページ30
そのあと、仕事や、そろそろ結婚って親がうるさいよなって話をして、22時前にはお開きになった。
｢ありがとうございました。楽しかったです｣
｢いやいや、俺こそ付き合ってくれてありがとう。久々飲めて嬉しかったよ。また行こうな｣
｢松潤また明日な｣
俺と翔くんとは反対の路線で帰る松潤と駅で解散をして、翔くんとホームで電車を待ってると、｢そういえばさあ｣て翔くんが口を開く。
｢智くんが潤呼ぶって言ってくれた時にさ、そういや潤を開発に抜いてもらおうって考えてた頃、よく3人で飲んだなって思い出しててさ｣
翔くんも俺と同じこと考えてたんだなって、可笑しく思いながら、うんって相槌を打つ。
｢その頃聞いたよね、智くんの夢の話｣
｢……ああ｣
｢あの頃に比べると随分顔色も良くなったけど、まだ見ることある？あの夢｣
翔くんには、なんでも話してしまう。
ニノの夢を見始めたのは、1年半くらい前からだったと思う。初めは、知らない場所で知らない子にずっと見つめられてる夢だったから、嫌な感じはしないけどなんか不気味でしょっちゅう起きちゃって、ずっと寝不足だった。
……智くん、最近眠れてる？
今日みたく松潤と3人で飲んだあと、翔くんに指摘されて、｢最近、変な夢見ててさ｣って、夢の話をした。
｢智くんに聞いたあと、俺も繰り返し見る夢で調べたんだけどさ、基本はストレスとか鬱状態とか、ネガティブな理由が多いんだって。でもそういう時は怖い夢を見るらしくてさ、智くんは怖いって思わなかったんでしょ？｣
｢うん、不思議な夢だけど、怖いとは思ってなかった｣
｢だから違うんだろうなあと思って｣
｢……まだ見てる。ていうか、うーん、｣
｢なに？｣
おれは翔くんにはなんでも言ってしまう。
なんでだろう、この人には俺自身が困った時とか悩んだ時、吐露したくなる不思議な感覚がある。
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作者名：楽斗 | 作成日時：2021年11月6日 0時
