青い胡蝶蘭04 ページ29
｢あ！智くん！潤！こっちこっち！｣
居酒屋に入ると、翔くんが満面の笑みで手を振っていた。あ、もう飲んでる。あ、刺身食ってる。
｢労働お疲れ様！｣
｢なんでその労働者を待たずに飲んでんのよ｣
｢あー違うよ、これ麦味の炭酸だから｣
｢何が違うんだよ｣
全然悪びれないので無視しておしぼり持ってきた店員に生を注文する。
｢翔さんお久しぶりです｣
｢おー潤ほんと久しぶり！智くんはよく見かけてたけど、潤とは全然会社で会わないよな｣
｢リーダー、サボってるから｣
人聞きが悪い。
｢まあいいじゃんビール来たからはいカンパーイ｣
強引にジョッキを合わせてビールをあおると松潤も翔くんも笑いながらビールを飲む。
｢てか翔さん最近かっこよくなりました？｣
｢あ、私服がダサくない｣
｢うぉい！前がダサかったみたいに言うな！｣
前がダサかったんだよ。と言ってあげる。
本当にやばい時はグレーのパーカーの上にパーカーを羽織るようなやばさだ。まあ若い頃の話で、最近はまだマシになったほうだけど。
｢社会人なりたての頃に合コンで仲良くなった友達がいるんだけどさ、あ、男なんだけど。気があってよく飲んだり旅行にも行く仲でさ、で、その友達、お洒落じゃね？って最近気づいて、服選んでもらってる｣
｢情報量が多いですね｣
｢その合コン収穫はあったの？｣
｢むしろ収穫はその友達だよね｣
2人にも会わせてぇなあという翔くんはわりと人と人を引き合わせたがる。翔くんが松潤を俺のチームに動かしたいんだって時も、何度か3人での見にいったなと思い出す。
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作者名：楽斗 | 作成日時：2021年11月6日 0時
