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『あの……きんときくん。』
「ん？」
『今何処に向かってるの…？』
手を引かれるはいいものの、どんどん教室から遠ざかって一体何処に向かってるのか。
「開かずの教室」
『………へっ、？』
通称開かずの教室と言われている場所。校舎の端にある教室で、日当たりが悪いのか階段から少し遠いからか何故かは知らないけど今は使われていない。しかしながら、その教室は扉が開かないのだ。この学校では幽霊がいて呪われているだとか、秘密の実験が行われているとかあることないこと言われているけど。
「はい、開いたよ」
『………エッ、』
まるで家の扉を開けるように自然に開かずの教室の扉を開けるきんときくんに開いた口が塞がらなかった。もはや、“開かず”という言葉の意味を根本から疑問に思い始めるくらいには。
『えーっと……なんで？？』
「先輩が教えてくれた」
どうやらきんときくんの話によると、先輩の吸血鬼からこの場所を譲り受けたらしく、開け方を知らないと開かないらしい。それに、近くに人が来たら知らせる装置もついてるらしく、いかにも秘密基地みたいな場所になっていた。ちなみに諸々の装置はその先輩が全て自分が付けたという。何者だよ。
『でも、普通開かない部屋があったら先生達が何とかするんじゃ……』
「Aさんが気付いてないだけでも、吸血鬼ってけっこういるからね？」
なるほど、大人の事情ってやつか。自分の身のために深くは聞かないでおこう。にしても、現実でこんなことってあるんだ。フィクションでしか見たことないな。
「開け方教えるから、今度からここで集合ね？」
『分かった。』
でも、こんな場所で会う事になったら、いざ自分の身が危なくなった時に軽率に助けを呼べなくなるんじゃないか、という疑問はグッと飲み込んだ。
大丈夫、きんときくんなら大丈夫……だよね？
「……怖い？」
『え？』
いつの間にか表情に出てたのか、きんときくんが心配そうに覗きこんできた。
「大丈夫、Aさんが嫌がる事はしないから。………多分。」
『最後の言葉で一気に心配になりましたけど…！？』
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神崎いのり(プロフ) - ゆのさん» 返信が大変遅くなってしまい申し訳ございません。コメントありがとうございます…！そう言って頂けてとても嬉しいです🥰緩くではありますがちまちまと更新していきますのでお付き合い頂けると幸いです✨ (4月19日 16時) (
レス) id: 8fac357c0d (このIDを非表示/違反報告)
ゆの(プロフ) - ほんとにとても癖です、、、！！！更新待ってます😿 (12月28日 15時) (レス) @page11 id: 8aabdc3085 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：神崎いのり | 作成日時：2023年12月15日 23時
