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優等生なんて ページ11

血を吸われたあと、何事も無かったように昼食を食べ、きんときくんと駄弁りながら時間を消費していると、気がつけば予鈴が鳴った。そろそろ行かなきゃ。次は……吸血鬼の授業だっけ。


『授業だるーー』


「じゃあ2人でサボろっか」


『そうだねー………ん?』


優等生である彼の口から「サボる」なんて言葉が飛び出してきた気がする。思わず聞き直してみても、聞き間違いじゃ無かったみたいで。


「どうせ目の前に吸血鬼いるし、授業受ける必要ないでしょ」


『いやいやいや、待って?2人同時にサボったらまた何か良からぬ噂が……』


急いで立ち上がって教室まで走ろうとしたけれど、その手を掴まれ勢いよく引き寄せられた。


「一体どんな噂たっちゃうかな〜」


『ねぇ、楽しんでるよね!?』


「ん〜?別に〜?」


ニコニコと笑みを浮かべているけど、私の腕を掴む手の力は全然緩んでいなくて、ギチギチと音が聞こえそうなほどだった。必死に彼の腕から逃れようとしたけれど、攻防戦を繰り広げている内に遠くでチャイムが鳴った。それはまるで死刑宣告のようで、体からサーッと血の気が引くのを感じる。


「あーあ、授業始まっちゃったねー」


『……きんときくんの鬼』


「俺吸血鬼だし」


最後の抵抗にと言葉を吐き捨ててみたけれど、その言葉も呆気なく論破されてしまった。


「Aさん、今日体調悪いでしょ?」


『……えっ?』


「顔色あんま良くないよ?多分俺のせいなんだけど。今だけでも休みなよ」


ね?なんて優しく彼は囁く。透き通る海のような瞳は、まるで私の全てを見透かされているかのようで。どうして気づいたんだという驚きの気持ちと、思わぬ彼の優しさに何処か高揚する自分がいる。なるほど、これがきんときくんの人気の秘密か……。こりゃ人気も出るわ、と何処か達観しながらゆっくり目を閉じ、近くの壁に身を預けた。
教室で机に伏せて寝るのとは違う、特別寝心地がいいわけでもなかったけれど、何処か安心感があった。

うとうとと隣にいる彼のことを考えていたら、いつの間にか眠りに落ちていた。

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神崎いのり(プロフ) - ゆのさん» 返信が大変遅くなってしまい申し訳ございません。コメントありがとうございます…!そう言って頂けてとても嬉しいです🥰緩くではありますがちまちまと更新していきますのでお付き合い頂けると幸いです✨ (4月19日 16時) (レス) id: 8fac357c0d (このIDを非表示/違反報告)
ゆの(プロフ) - ほんとにとても癖です、、、!!!更新待ってます😿 (12月28日 15時) (レス) @page11 id: 8aabdc3085 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:神崎いのり | 作成日時:2023年12月15日 23時

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