ももいろ ページ9
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溢れ出す涙が止まらない
のんが悪いのに。のんがこんなんやからいけないのに。
「うっ…ヒック…泣」
流星くん、必死に隠そうとしてくれてた
なのに、のんは耐えられなくて…
あそこでのんが耐えたら鈴木さんを誤魔化せたかもしれない
あの場から逃げ出すなんて。謝るなんて認めたも同然やねん。
"ガチャッ"
「……!」
屋上の扉が開く音。
嘘…鈴木さん、こんなところまで…
青「のぞむ」
「っ……」
違った。のんの大好きな人や。
「流星っ、くんっ…泣」
怖くて固まった体が流星くんやとわかった瞬間に力が抜けていく
また溢れ出す涙。地べたに座り込んでるのんを流星くんがぎゅっと抱きしめてくれる。
青「ごめん…」
「どうしてっ、流星くんがっ…泣」
青「守れへんかった。情けない彼氏でごめん」
流星くんは何も悪くない
ちゃんとのんを守ってくれてた
そこから勝手に逃げ出したのはのんや
のんが弱くなければ、こんな迷惑かけなくてよかった
のんが弱いから…
青「望…」
「ごめんなさいっ…ヒック…泣」
青「…俺は望が好きや」
涙が止まらないのんに嫌気でも差したかと思って、つい口から謝罪の言葉が漏れる
でも、そんなのんに流星くんは"好き"って
青「別れるとか考えてへんかなって。こんなに好きやのに別れたくないねん」
のんを抱きしめる流星くんの腕に力が込められる
確かに、のんのせいで…とは考えてたけど
「のんも、別れたくない…流星くんのこと大好きやからっ…泣」
流星くんの背中に腕を回してのんからもギュッと抱きつく
こんなに好きやのに別れたくない
せやのに、流星くんに迷惑かけることをやめれへんなんて…
のんは酷い彼女や…
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作者名:まかろん | 作成日時:2024年1月13日 20時