あおいろ ページ22
⠀
「のぞむ」
桃「っ……//」
「好きやで」
"ちゅっ"
望の顎を掬って触れるだけのキス
ポッと染まった頬を親指の腹で撫でていたら
桃「のんは大好き…////」
なんて、俺の学ランを可愛く掴みながら言われて
ほぼノックアウト寸前。
はぁ…思春期にはヤバいものがあるって…
「俺は愛してる」
グッと堪えながら、まだまだ初心な望に甘い言葉を送る
俺の本音やから。誰にチョコを貰おうと、誰に告白されようと愛してるのは望だけ。
桃「あ、あのね…のんからもチョコレート…//」
そう言って恥ずかしそうに差し出されるチョコレート
あ…手作りちゃうんや…
勝手に手作りチョコをもらえると思ってた
好きな人から貰えるだけでも嬉しいのに、手作りまで望むなんて贅沢すぎるよな
「ありがとう。めちゃくちゃ美味そう！」
桃「神ちゃんおすすめのチョコやから間違いないと思う！」
これ、神ちゃんのおすすめなんや
望が選んだわけちゃうってこと…？
なんやろ。なんか違和感がある。
神ちゃんと一緒に買いに行ったとしても最終的に選ぶのは望やと思うねん
"神ちゃんおすすめ"
何故かこの言葉だけが引っかかる
おすすめした神ちゃんはしげに手作りで渡してるし
なんで望は市販のチョコを…？
桃「…女の子たちの手作りの方が美味しく感じるかもやけど((ﾎﾞｿｯ」
「え？」
桃「あ！いや！ううん！なんでもない！」
ボソボソと呟く望に聞き返すと全力で首を振られた
ごめんな。ちゃんと聞こえてたで。
桃「愛情の籠った可愛いチョコが美味しくないわけない…((ﾎﾞｿｯ」
ふはっ笑 今さっき焦ったばっかりやのにもう心の声漏れてるやん笑
でもおかげで望からのチョコが手作りやない理由がわかった
女子たちの手作りは凝ったものばかりやけど、彼女からのものが1番に決まってるやん
そんなこと言っても今年はもう遅い
色々考えて手作りは諦めて神ちゃんに相談して買ってきてくれたんかな？
…いや。さっきの違和感、まだ残ってるんよな。
神ちゃんおすすめのチョコ。
なんでこんなにも違和感があるんやろ…
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作者名：まかろん
| 作成日時：2024年1月13日 20時
