聖女 ページ7
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-翌日-
アシㇼパ「白石たちには、はぐれたら釧路の街で待つように言っておいた。」
アシㇼパ「今頃きっと心配しているはずだ。」
私たちは白石さんとインカㇻマッさんとチカパシの待つ釧路町へ向けて出発する準備をしていた
杉元「銃も壊れたし修理に出さないとな。」
杉元さんは壊れてしまった銃を手に取る
尾形「銃身に水が入った状態で撃つとはな...」
尾形「軍隊で何を教わってきたのか...」
杉元「...」ｷｯ
嫌味ったらしく杉元さんを馬鹿にする尾形さん
杉元さんは尾形さんをキッと睨みつけた
杉元「その最新式の小銃、俺が気球乗る時に第七師団から奪い取ったやつじゃん!!」
杉元「返せよ!!」
尾形「これは三八式歩兵銃だ。」
尾形「この表尺を見ろ、2400米まで目盛りがあるな?」
尾形「お前の三十年式は2000米まで。」
尾形「この銃から採用された尖頭弾の三八式実包なら2400米先にまで弾が届く。」
杉元「だから何だよ...」
尾形「お前が使っても豚に真珠って事だ。」
ブタニシンジュ?
杉元「チッ...」
尾形さんは私の方を見ると
私に最新式の小銃と言っていた三八式歩兵銃を渡した
『え...』
尾形「お前の方が杉元よりも
私の方が使いこなせると言われても...
私は銃を使ったことが無い
杉元「尾形、イナンクルさんにそんな危険なモノを持たせるな。」
杉元さんは私から小銃を取り上げた
『ご...ごめんなさい...』
アシㇼパ「なんでイナンクルが謝るんだ?」
杉元「そうだよ、悪いのは尾形なんだから。」
『尾形さんは悪くありません、受け取ってしまった私が悪いのです。』
杉元「イナンクルさんは聖女だ...」
せ...セイジョ?
アシㇼパ「杉元、
杉元「イナンクルさんみたいな慈悲と慈愛に満ちた女性の事だよ。」
『そんな...』
私は慈悲や慈愛に満ちた人間じゃない
尾形「穢れのない女っていう意味もあるだろ。」
杉元「確かに...」
尾形「穢れのない...ねぇ...」ﾆﾔﾘ
『!!』ﾋﾞｸｯ
尾形さんが私を見てる
すごいニヤッとしてるし...
なんかゾワゾワする...
杉元「おい尾形。」
尾形「あ?」
杉元「イナンクルさんで変な事考えるなよ。」
尾形「...」
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作者名：檜枝 | 作成日時：2020年5月25日 23時
