ドレス ページ49
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『アシㇼパ、無理に言わせるものではありませんよ。』
アシㇼパ「う"...眩しい...!!」
アシㇼパは私を見ると眩しいと言って杉元さんの後ろに隠れた
眩しいとは...
田本「では、一枚良いですか?」
『はい。』
私は撮影機の前に再び立った
うん...やっぱり1人でいるとどうしても顔が強ばってしまう...
杉元「イナンクルさん、笑顔笑顔!!」
『あ、はい!!』
せめて作り笑いに見えないように...
田本「撮れましたので、楽にして良いですよ。」
『はい、ありがとうございます。』
杉元「どうだ?いい写真が撮れたか?」
田本「ええ、ぎこちない感じもまた良いですね。」
やっぱりぎこちなかった...
杉元「イナンクルさんがお嫁に行ったら隣に旦那が写るのか...」
キロランケ「許せな...いや、なんだか寂しいなあ。」
土方「何だ、結婚するのか?」
『いいえ、結婚はまだなのですが...』
『金塊を見つけ終えたら小樽へ戻ってお見合いをしろと2人が...』
谷垣「そうだったのか!!」
杉元「その方がフチも安心すると思ってよ。」
キロランケ「谷垣、見合いはすると言ったが俺たちが認めた奴じゃないとイナンクルは渡さない。」
谷垣(杉元とキロランケが認める奴なんて...この世のどこを探してもいないだろう...)
『では、そろそろお着替えに...』
牛山「ずっとそのままでもいいと思うけどなあ。」
ずっと家永さんのドレスを借りっぱなしというのも...
もしも汚してしまったら弁償をするお金が無い
私は家永さんのドレスから
谷垣ニㇱパとキロランケニㇱパとチカパシが屈斜路湖のコタンの方からもらってきてくれたアットゥシに着替えた
アシㇼパ「うん、やっぱりこの方がしっくりくるな!!」
『そうですね!!』
やっぱり私は着飾らない方が性に合っている
でも...たまに着てみるのも悪くないかな...
杉元「撮影も終わったし、そろそろ行くか。」
私たちは写真屋さんの外へ出た
杉元「そういや白石はどこへ行った?」
永倉「石川啄木と遊郭へ行ってる。」
永倉「あいつらやけに馬が合うみたいだ。」
アシㇼパ「白石なら私たちの後を追って戻ってくるだろう。」
アシㇼパ「網走近郊にフチの13番目の妹のいるコタンがある。」
杉元「とりあえずそこへ行こうか。」
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作者名:檜枝 | 作成日時:2020年5月25日 23時