【ゴールデンカムイ】旅路の果てに見たもの肆 (ページ27)

今日:28 hit、昨日:16 hit、合計:126,996 hit

塘路湖ページ27

.

釧路から北へ約30キロ

私たちは塘路湖近くにあるコタンに
休憩がてらお邪魔をさせてもらうことにした

塘路湖近くのコタンには
フチの二番目の姉の息子さんがいる

私とアシㇼパと杉元さんは
その息子さんと共に塘路湖へ行き舟に乗っていた

アシㇼパ「この湖は昔からペカンペが沢山採れることで有名だ。」

杉元「ペカンペってなに?」

アシㇼパ「ペカンペは水の上にあるもの(・・・・・・・・)という意味で、菱の実の事だ。」

アシㇼパ「ペカンペがあるから湖の周りにはアイヌの村がいくつも出来た。」

『村同士で争いが起きたほど貴重な食べ物なのですよ。』

『秋になって実が熟したらたくさん採って、冬の保存食にします。』

杉元「すげえトゲ...」

杉元「乾かしてカチカチになったのを昔の忍者はマキビシに使ったんだよな～」

アシㇼパ「にんじゃ?」

にんじゃとはどういう意味なのだろう...
疑問に思いながら私たちはペカンペをたくさん採取する

アシㇼパ「このくらいで良いだろう。」

杉元「岸にもどるの?」

アシㇼパ「ああ、今日はペカンペを使って食事にしよう!!」

杉元「アシㇼパさん食べるの好きだね～」

塘路湖の岸につき
たくさんのペカンペをもってコタンへ戻る

.

-塘路湖のコタン-

私とアシㇼパは早速調理に取り掛かった

『乾かして保存しているペカンペは皮を剥ぎ、中の白い身をひいて団子や餅にします。』

『採れたてのものは塩ゆでにして、ご飯に混ぜて食べます。』

アシㇼパ「栗みたいでホクホクして美味しいんだ!!」

杉元「へぇ、美味しそうだね。」

杉元さんにも手伝ってもらい
ペカンペの実を硬い皮を剥いで出していると...

フチの甥「もうすぐペカンペの収穫時期だが、採っても奴ら(・・)に全部奪われるかもしれない...」

フチの甥「皆、不安に思っている...」

フチの甥がそう言った

ペカンペの収穫時期になり
採っても全て奪われてしまうなんて酷すぎる...

杉元「奴ら(・・)って他のコタンの人たち?」

フチの甥「違う...最近この辺りに現れる盗賊だ。」

フチの甥「真っ暗闇の中を松明も灯さず森を抜けて襲ってくる。」

白石「なにもんだ?そいつら、忍者か?」

フチの甥「奴ら(・・)は全員目が見えない(・・・・・・)。」

フチの甥「盲目の盗賊たちなのだ。」

.