真実へたどりつくために... ページ26
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-釧路町-
私たちは再び釧路へ来ていた
けれど夜明け前の事もあり口数はいつも以上に少ない
チカパシもそれを察したのか、普段から明るい彼すら黙って谷垣ニㇱパの後ろを歩いている
キロランケ「俺の息子たちは北海道のアイヌだ。」
キロランケ「金塊はこの土地のアイヌのために存在している。」
キロランケ「俺の目的はインカㇻマッと同じはずだ。」
そんな空気を変えようと
キロランケニㇱパは私たちにそう言った
確かにキロランケニㇱパの息子さんたちは北海道のアイヌだから、父親であるキロランケニㇱパの言い分はよくわかる
私も2人の目的は一緒だと思っている
いや...一緒だと信じたい...
インカㇻマッ「...」
白石「それで...どうすんだよ。」
白石「みんな疑心暗鬼のままだぜ?」
尾形「誰かに寝首をかかれるのは勘弁だな。」
それ...尾形さんが言うんですね...
いやいや...
問題は皆がお互いを疑い合っているという事
このままでは網走監獄へ行っても...
尾形「...」
いったいどうすれば...
杉元「行くしかねえだろ。」
『!!』
杉元「のっぺら坊がアシㇼパさんの父親なのか違う男なのか...」
杉元「会えば全部ハッキリする。」
杉元「網走監獄へ行くってのは最初っからずっと変わらねえ。」
そうだ、私たちは真実を確かめるために網走監獄へ行こうと旅を始めた
はぐれてしまった仲間も網走にいるから
今更それを変えるわけにはいかない...
杉元「インカㇻマッとキロランケ...」
杉元「旅の途中もしどちらかが殺されたら...」
杉元「俺は自動的に残った方を殺す!!」
杉元「これでいいな!?」
杉元「なんてなッ!!アッハッハ...」
杉元さんはそう言っているけど...
白石(お前の事だから冗談じゃねえ気がするけどな...)
尾形(恐ろしい男だ...)
谷垣(本気なのか...?)
キロランケ(冗談じゃねえな...あれは...)
インカㇻマッ(冗談ではなさそうですね...)
私にはとても冗談には感じ取れなかった
これは杉元さんなりの警告なのだろうか...
アシㇼパの事となると杉元さんの気迫は凄まじい...
杉元「網走へ行こうか、アシㇼパさん。」
アシㇼパ「ああ...」
真相がわからない今
争ったって何の意味もない
争うくらいなら真実を確かめに前へ進むんだ
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作者名：檜枝 | 作成日時：2020年5月25日 23時
