簪 ページ10
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-翌日-
『私...そんなに目立ちますか...?』
私たちは炭鉱へ行って軍曹さんの遺体が無いか確認しに行けと土方ニㇱパに言われたのだけれど...
牛山「嬢ちゃんはいろいろと目立つからお留守番だな。」
チンポ先生にお留守と言われてしまいました...
確かに髪や瞳の色の他にアイヌの衣装すらも目立ってしまう...
『私...役に立ちませんね...』
白石「イナンクルちゃんはその場にいるだけで俺たちが癒されるから大丈夫だよ。」
癒される?
私が...?
杉元「イナンクルさん、行ってくるね。」
アシㇼパ「また尾形にいじめられたら言うんだぞ。」
『はい。』
私は皆を玄関先まで見送る
『はぁ...』
私ってそんなに目立つかなぁ...
やっぱり目立つから小さい頃みたいに髪の毛を短く切って帽子で隠していた方がいいのかな...
家永「イナンクルさん、どうしたんですか?」
『家永さん...』
『実は目立つからお留守番をするように言われまして...』
私は家永さんに髪を短く切ろうかと相談したら...
家永「とんでもない!!」
家永「美しいのに切るなんて勿体ないです!!」
勿体ないと言われてしまった
家永「よろしければ髪を結ましょうか?」
『あ、ありがとうございます。』
『お願いします。』
私は家永さんに髪を結ってもらう事にした
思えば誰かに髪を結ってもらうのは久しぶり...
家永「これは簪と言う髪飾りです。」
『カンザシ?』
カンザシ...
それは棒の先端に丸い宝玉のようなものが付いていた
家永「これをまとめ上げた髪の毛に挿しこむんです。」
家永さんは慣れた手つきで私の髪に簪を挿した
家永「できました、とてもお似合いですよ!!」
『そ...そうですか?』
髪の毛を飾った事がないからなんだか新鮮
家永「よろしければ差し上げますよ?」
『本当ですか!?ありがとうございます!!』
家永さんからカンザシをもらってしまった
これで当分髪の毛は切れないなぁ...
目立つと言われて少し傷ついていたのに
もうすっかり元気になった
元気が出たところで気を取り直して
刺青人皮の見分け方の手がかりを探そう
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作者名:檜枝 | 作成日時:2020年3月23日 7時