山猫 ページ6
.
『猫さん、もらって来ましたよ!!』
あれ...
ちゃんと座って待っていたのに
どこへ行ってしまったのだろう...
私は猫を見なかったかと
みんなに聞きながら家中をくまなく探した
1階はいなかったので
2階へ行って各部屋を見て回ると...
猫「ニャ〜ン」
日当たりの良い部屋で
私を待っていたかのように猫は座っていた
『やっと見つけましたよ〜』
『ひとりで日向ぼっこをしていたのですね。』
猫にごはんを差し出すと
猫は美味しそうにごはんを食べた
『やっぱりお腹が空いていたのですね。』
美味しそうにごはんを食べる猫を見ながら
一緒に日向ぼっこをしていると...
キィィ...
ガチャン...
私と猫のいる部屋の扉がしまった
扉は死角にあって誰が閉めたのかは分からない
足音がだんだんこちらに近づいてくる
恐る恐る後ろを振り向くと...
.
尾形「...」
今誰よりも2人きりになってはいけない
あの軍人さんが私の後ろに立っていた
すぐにその場から離れようとすると...
『ッ!!』
グッと腕を掴まれてしまった
尾形「いつ
尾形「武器を持っていないのにどうやって身を守る気だ?」
『!!』
そうだ...確かに軍人さんの言う通りだ...
屋内だから必要ないと思って弓矢を大部屋に置いてきてしまった
こんな所にいてはいつ第七師団の軍人さんたちに襲撃されるか分からないのに...
『ご...ごめんなさい...』
尾形「フッ...やっと話したな。」
『...』
尾形「そんな顔するなよ、一応仲間だろ?」
確かにそうですけど...
尾形「俺が見張っといてやる。」
『ありがとう...ございます...』
猫「ニァァ〜」
猫は私が軍人さんと話している間もずっと
私に構って欲しいのか足や手に擦り寄ってきた
『撫でて欲しいのですか?』
猫「ニャ〜ォ」
『甘えん坊さんですね。』
私は猫の頭体をたくさん撫でた
.
程なくして
猫「ニャア」
『食べ終わりましたね、美味しかったですか?』
猫「ニャア〜ン」
ごはんを食べ終え、気持ち良さそうに擦り寄ってくる猫の頭を優しく撫でると、猫はゴロンと暖かい床に寝転がった
『ん...暖かくて眠くなってしまいましたか?』
猫「ニャォ〜ン」
尾形「猫にも敬語か。」
『...』
いいじゃないですか...
.
226人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「愛され」関連の作品
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:檜枝 | 作成日時:2020年3月23日 7時