【ゴールデンカムイ】旅路の果てに見たもの壱 (ページ6)

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杉元ニシパページ6

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-夕方-

杉元「今日は冷えますね。」

気温が下がってきたので戸締りをしていると
再び杉元ニㇱパが私の元を訪れた

『澄んだ夜は一層冷え込みますからね。』

『それよりどうしたのですか?』

杉元「あ...えと、イナンクルさんの様子を見に...」

私の様子を...?

『フフ...私の様子を見に来ても面白いことなんて何もありませんよ?』

『どうぞ中へ。』

私は杉元ニㇱパをチセの中へ通した

『アシㇼパは今、子供たちと遊んでいますか?』

杉元「はい。」

『アシㇼパは明るくて元気な子ですから、よく子供たちと遊んでいるんですよ。』

杉元「そうなんだ...」

すると杉元ニㇱパはバツが悪そうに私を見た

杉元「イナンクルさん...」

『はい。』

杉元「村から離れた場所にひとりで住んでいて寂しくないのか?」

コタンから離れた場所にひとり...

『そうですね...正直寂しいです。』

私はずっとひとりだった
ずっとひとりだったのにコタンの人たちと一緒に暮らすようになって...

ひとりきりになるとまたあの頃のように独りになってしまうんじゃないかと不安になってしまう事がある

でも...

『私は薬で稼いだお金で皆に恩返しがしたいのです。』

『私を拾ってここまで育ててくれた恩を皆に返したいのです...』

コタンの皆に恩を返せるのなら
私は再び独りになっても構わない

『それに、コタンにいては子供たちが間違えて薬を飲んでしてしまうかもしれないので...』

『結局はひとりになってしまうのですよ。』

間違えて服用してしまったら元も子もないから...
それに意味の無い薬の過量服薬は最悪死に至るかもしれないから...

杉元「イナンクルさんはしっかり者だね。」

『そんな事ありませんよ。』

『アシㇼパの方がしっかりしていますよ?』

『よくアシㇼパにはボーッとしていると怒られていましたから。』

一緒に近くの山へ狩りに行ったとき...
アシㇼパが可愛くてずっと見ていたらボーッとするな怒られてしまった...

『杉元ニㇱパはとても親切な方ですね...』

『こんな私を気遣ってくれるなんて...』

『私...この容姿のせいでシサㇺの方に良く思われない事が多いのです...』

杉元(まあ...俺たちから見ればそうか...)

ロシア人はこの国にとって戦争をした相手
敵であると私の父が言っていた

私の容姿はロシア人の母似だから
シサㇺの方にとっては目に余る所もあるでしょうね...

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