帰り道 No side ページ5
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イナンクルの家を出て
フチのチセへ向かって歩き出すアシㇼパと杉元
アシㇼパ「杉元...」
杉元「イナンクルさんは他にも重要な手がかりを持っているかもしれない...」
杉元は思い出していないだけで
イナンクルはまだ何か知っているのではないかと思った
アシㇼパ「この事が入れ墨の囚人を探してる者に知られれば...」
杉元「どんな手を使っても軍は手に入れようとするだろうな。」
少しでも情報を知っているという事が周囲にバレてしまえば、誰かの側に付く前に自分の手の内にしておきたいと誰しもが付け狙うだろう
アシㇼパはイナンクルが付け狙われる事を恐れた
アシㇼパ「杉元...イナンクルになにかあったら...」
アシㇼパ「知らないよりは良いのだろうけど、もし危険な目に遭ったら...」
アシㇼパ「私は...」
アシㇼパはまた大切な人を失ってしまうと思ったのか、不安な気持ちを杉元に話した
アシㇼパ「アチャからイナンクルはこの土地のアイヌじゃないと聞いた。」
アシㇼパ「イナンクルは遠い所から追われて逃げてきたアイヌだって...」
アシㇼパ「だからもうイナンクルにはもう恐い思いをさせたくないんだ。」
アシㇼパ「軍に追われるような事があったら...」
アシㇼパの不安な胸の内を聞いた杉元は
杉元「その時は俺たちでイナンクルさんを守ってあげようよ。」
自分たちでイナンクルを守ろうと言った
杉元「軍の奴らに捕まっても五体満足で連れ戻せばいい。」
杉元「イナンクルさんの身に危険な事があったら、いつでも守ってあげられるように一緒に行動すればいいんだよ。」
重要な手がかりになる人を手荒に扱う人などいない
ましてや殺す人などいない
もしイナンクルが捕まったとしても五体満足で奪還できる可能性が高いし、奴らに捕まる前に共に行動するという選択肢もある
アシㇼパ「そうだな!!」
アシㇼパはまだ不安な気持ちでいっぱいだろう
けれどアシㇼパは杉元がいれば大丈夫だろうと、どこか安心していた
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作者名：檜枝 | 作成日時：2020年3月9日 22時
