第35話 ページ12
移りゆく景色を眺めながら、雪は電車に揺られていた
やがて世界はコンクリートのビルよりも木造の建築物の割合が多くなる
静かに止まったのを確認すると、荷物を全て持って外へ出た
カース事務所
ヒーローオタクの緑谷でさえ首を傾げるほど無名であるそこから指名は来ていた
英語で『curse』——『呪い』なんて物騒な名前の事務所に本当にヒーローなのか、と頬を引き攣らせたのは余談である
だがこの超人社会、そんな個性を持っている人が集まっていても可笑しくはない
最寄り駅から徒歩7分
古い学校を思わせる建築物を雪は見上げていた
固く閉ざされていた木の扉が軋みながら開くと、時代遅れの着物を纏った壮年の女性達が「お待ちしておりました」と、大袈裟に出迎える
荷物を預かられ、複数人の女に連れられ所長がいるらしい場所へと向かう
その間誰一人として雪に声を掛けようとすることもなく、轟の時に感じた心地良さではないナニカに居心地悪くなるが、周りは気にした様子もない
しばらく歩くと、先頭を歩いていた女が道の端に寄る。奥を見ればこれまた立派な建物が建っていた。お辞儀をしているのを見るに、ここから先は一人で行けという事だろう
こちらも軽くお辞儀をして進む
中に入ると背後で錆び付いた鉄が擦れる音がした。同時に室内が暗くなり蝋燭の明かりでようやく道が分かるほどの最低限の光が辺りを支配した。どうやら扉が閉められたようだ。
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ROCK Down LOVE(プロフ) - 箱さん» 素敵だなんて！！ありがとうございます！今月の22日辺りに再開する予定なので気長にお待ちください！ (2022年12月8日 19時) (
レス) id: 5591b512d9 (このIDを非表示/違反報告)
箱 - ステキな作品を書いてくれてありがとうございます (2022年12月7日 18時) (レス) id: e97eef8072 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Rock down Love | 作成日時：2022年10月3日 17時
