ご褒美 ページ7
「私の連れに何か用ですか？」
とっても聞覚えがある、あの低くて安心できる声と共にふわりと全身を包む感覚。
殺気もいつも通り…いや、６割増しくらい？
「ほ、鬼灯様…おぎゃっ…あ」
なぜか視界がゆらゆらして目が熱くて、のどが絞まったようになって声が出なくなってしまった。
「ほらほら、もう泣かないでください」
しゃがんで手拭いで顔をふいてくれる鬼灯様を見ていると熱いのもなくなり、声も出るようになった。あ、手拭い…金魚草の柄だ。
「あの人たち…なんですかっ…」
「小さい子供を好きな変態野郎を一般にはロリコンと呼びます。貴女を一人にするのはうかつでした。すみません」
「謝らないでください。鬼灯様が助けてくれたので私は嬉しいです」
それからは鬼灯様の邪魔にならなくても目が届く範囲、つまり舞台そでで舞台に上がっていく仲間(金魚草)たちの緊張を和らげたり「お疲れ様」と(金魚草に)いったりしていたらあっという間にイベントは終わってしまった。
「Aさん、今日はお疲れ様でした」
帰り道も手を繋いで帰っていると上から声がかかった。
３０センチぐらい上にある鬼灯様の顔を見る
「いえ、鬼灯様の方こそお疲れ様でした。何もできなくてすみませんでした」
「…舞台裏で頑張っていたでしょう。何もしてないなんて言わないでください」
「あれはうろうろしてただけですよ？」
「頑張ったご褒美にこの簪をどうぞ」
「あれ。今スルーしました？…開けてもいいですか？」
鬼灯が懐から出した小さな長方形の箱を受け取る。
頷いたのを確認してからそっと開ける。
「わぁ…金魚草ですね」
そこにはガラス細工で繊細なつくりの金魚草の飾りがついていました。
簪を取り出して髪にさしてみる。
「どうですか？」
「…似合ってますよ」
「鬼灯様、改めてありがとうございます」
そのときの笑顔はこれまでにないほど輝いていた。
そして鬼灯の心は激しくかき乱された。
――――――――
4/6 23:26
評価１００！？
しおり１３０！？
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toratora10(プロフ) - シリアスにならないで欲しいな。金魚ちゃんに幸せを！！ (2019年6月7日 15時) (
レス) id: 666f1a834c (このIDを非表示/違反報告)
漬物うまい - 何これ神作品金魚草の小説無かったから凄くいい！ (2017年12月23日 3時) (レス) id: 4fe65bab45 (このIDを非表示/違反報告)
香 - 夢主が金魚草という独特の発想、面白いです。更新応援しています。 (2017年10月19日 18時) (レス) id: 458361e9e1 (このIDを非表示/違反報告)
桔梗 - 凄く面白いです。私、金魚草がキャラ(はたして金魚草のことをキャラと呼んで良いのでしょうか)の中で一番好きなのでこの作品を見つけることが出来て良かったです。応援してます。これからも頑張ってください。 (2015年3月2日 19時) (レス) id: 665c15b549 (このIDを非表示/違反報告)
160cmのエノキ(プロフ) - 変わった設定に惹かれました！続き楽しみししてます！！ (2014年9月16日 14時) (レス) id: 50f97632ce (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：蘭兎 | 作成日時：2014年3月4日 23時
