◇２４ ページ24
.
「入って」
「は、はい。お邪魔します」
「適当に座ってて〜」
ベッドを背もたれにして座ると、目の前のテーブルにさっき拓実さんが買ってたいちごのロールケーキと透明のコップに注がれたミルクティーを置いてくれる。
「ありがとうございます」
「よいしょ」
ドカっと音が鳴りそうなほど豪快に隣に座った拓実さんは、不審者から一変してあのとってもとっても綺麗なお顔をさらけだしていた。
「ごめんな、急に家連れてきて」
「いえ！全然。…でもなんで、」
「明日から韓国行くねん、2週間」
「えっ」
「仕事でな。しばらく会えんから、行く前に…Aちゃんの時間貰おかなって。……いい？」
「も、もちろんです………ちょっと寂しいなぁ…。」
「ちょっとだけ？」
「んーーー、今のところはちょっとだけ」
「……連絡もあんま取れんかも」
「え、」
「2週間で練習と撮影と、現地の仕事と…って詰め詰めやから。1日1回か、…それよりもっと少なくなるかもしれん」
「…………」
「それでもちょっとだけ？」
ん？って可愛い声出しながらわたしの顔を覗き込んできて、ずるい。
「ちょっとじゃないかもしれないです。」
「ふはっ」
「笑わないでください！」
「ごめんごめん」
出してくれたミルクティーを一口飲んで、少し考えてみる。
ここ数ヶ月、拓実さんがわたしの生活の中にいるのが当たり前だったから、急にそれがなくなってしまうのは……やっぱり寂しい。
たった2週間、されど2週間……。
「Aちゃん折りたたんでスーツケース入れていこかな」
「入りますかね？」
「ぐーーーってする」
「ヒッ、痛そう……」
そう言うと拓実さんはケラケラ笑った。
「あーーー、Aちゃんって何なんやろ」
「…………？」
「変やんな」
「変！？」
「俺人見知りなんやけどな、」
「それはなんとなくわかります」
「……ほんまはもっと仲良くなるまでに時間かかるタイプやねん。特に異性やと。」
「はい」
「…………何でこんなことなってんねやろ？」
「…なんで嫌そうに言うんですかぁ！」
「いちごさんって呼ばれた時はびっくりしたなぁ」
「あぁ……あの時ほんとにやばいって焦りましたよ」
「ん、知ってる」
「バレてましたか」
「しっかりな」
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 442人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ゆか(プロフ) - あたし瑠姫くん推しやけど読みながら拓実くんの行動や仕草にめっちゃドキドキしちゃいました(/ω＼)♡完結まで頑張ってください☆ (5月23日 22時) (
レス) @page33 id: 4e419ef1ed (このIDを非表示/違反報告)
あやちょる(プロフ) - かわいいです！好きすぎます！一気に読んでしまいました‼︎続き楽しみにしてます♪ (5月22日 23時) (レス) @page33 id: 62396e4383 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：食べたい | 作成日時：2023年5月15日 21時
