王の虎 (ページ9)

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白｢．．．あの小娘の首にかかってた鈴、あれァお前の趣味か、ロジャー。｣

ロ｢いや．．．初めは踏まねぇようにって音が鳴るものをつけさせてただけなんだがな．．．｣

白｢ｸﾞﾗﾗﾗﾗ、本人が気に入っちまったか！｣

ロ｢そういうことだ！｣

ロジャー達の会話は、次第に冒険に関することへと移っていく。

一方Aは、白虎の姿のまま、モビー･ディック号の甲板に降り立っていた。

『(全然違う．．．)』

残っていたクルーが、冷や汗を流しながら警戒していると、

一人の幼い男の子が、Aの方への駆け寄っていく。

『！』

白ｸ｢も、モモ！！｣

モ｢しろい！！しろいとらだ！！！｣

『．．．おでんの子？』

イ｢お待ちを！モモの助様！！！｣

Aの問いに、モモの助と呼ばれた幼子が答える前に、

女型の青年が幼子を回収し、自分の後ろに庇う。

イ｢．．．．．．白虎．．．！？｣

Aの方へ向き直ってようやく、モモの助が駆け寄った獣が、白虎の姿であることに気付いた様子だった。

されど、猛獣であろうことに変わりはないと判断したのか、

自身の得物である銃に手をかけていた。

ト｢モモの助！｣

イ｢トキ様！！あまり近寄られては．．．！｣

ト｢び、白虎！？｣

『．．．．．．四神獣が一柱、西の白虎。ここに。』

なぜだが、Aの口をついて出たその言葉。

本人もイマイチ、意味は分かっていなかった。

しかし、トキとイゾウは、確かにその言葉に反応し、

自然とその頭を下げていた。

白ｸ｢！！？｣

『．．．って、あれ。言いたかったのは、それじゃなくて、』

我に返ったかのように、二人が頭を上げる。

『貴女がトキ？』

ト｢！は、はい！！｣

『おでんにね、縁起がいいから、会って行ってくれって言われたから、少しお邪魔しに来たんだ。』

イ｢おでん様が．．．｣

ﾈｺ｢な、なんじゃあ！！今の気配は！！！｣

イ｢ネコマムシ、イヌアラシ。｣

ｲﾇ｢び、白虎．．．！！？｣

『その子達が、おでんの子？』

ト｢え、えェ！モモの助と、日和と言います。｣

怖がらせないようにと、人型に戻り、ゆっくりと近付く。

ト｢まぁ．．．！｣

イ｢．．．｣