王の虎 (ページ1)

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＊出逢い＊* ページ1

そこは、グランドライン近くのとある島。

数年前、忌み子と流された、

幼き幼き人の子が、

海に閉ざされし猛獣だらけのその島で、何とか生き長らえていた。

空腹のあまり口にした、

禍々しいとも神々しいともとれる見た目のその実は、

驚くほど不味く、

また、幼子に力を与えた。

そこから幼子は、

みるみるうちに食うに困らなくなっていった。

そんな幼子と、大きな者が出会ったのは、

今にも雨が降り出し、雷の轟きそうな、

とある曇天の日のことだった。

・

ロ｢し、シャンクスがいないだと！！？｣

ｸﾙｰ｢見当たりません！！｣

レ｢全く、どこに行ったんだ．．．！｣(汗)

ロ｢探せ！食われる前に捜せー！！！｣

猛獣多きその島に、ロジャー海賊団と呼ばれる大海賊が立ち寄った。

船にいるはずの、赤髪の幼子は、見当たらないようだが。

赤髪の幼子が見つかったのは、発覚から30分ほどあとの事だった。

自分から戻ってきたのだ。

シ｢せんちょー！！｣

ロ｢！！シャンクス！心配したぞ！！お前どこ行って．．．？｣

レ｢見つかったか！？
全く、お前はまた勝手にフラフラと．．．？｣

自分より小さく、薄汚れた幼子を連れて。

ロ｢誰だ、その子は．．．｣

レ｢女の子、か．．．？｣

ロ｢白髪に金色の目か。珍しい毛色をしてるな。
新しい友達か？｣

シ｢うん！！｣

『．．．』

ロ｢わはは！そうかそうか！！早いな！着いてまだ一時間だぞ！！
って！！逃げろシャンクス！！｣

シ｢？
．．．わーｯｯ！！！｣

シャンクスとその幼子の後ろに現れた、大柄の熊。

その距離はあまりに近く、彼らであれど、間に合いそうになかった。

誰もが大怪我の覚悟をしながら動き始めた時、

その熊はいとも簡単に仕留められた。

『ｸﾞﾙﾙﾙﾙﾙﾙﾙ……』

シ｢！すっげー！！！きれー！！｣

灰色がかった、白き毛並みをした、大虎に。

ロ｢．．．．．．悪魔の実か．．．｣

レ｢そのようだ。
何にせよ、助かった。シャンクスが怪我をせずに済んだな。｣

見ていた人間達が浮かべたのは、

恐れでも、興味でもなく、

安堵の表情であった。