キング・オブ・男!!〜全てを敵にしても守りたい人〜5

必要の無い存在。 ページ5

【錦戸side】


追いかけないつもりでいた。

……そのつもりやったんやけど、



緑「すばるのことは亮ちゃんが守るんやろ」


黄「ん」


緑「それやったら一番近くで守ってやらんと」


黄「大倉はええんか？」


緑「ホンマは嫌やけどしゃあないやん？

亮ちゃんを一番必要としてるんはすばるなんやから」



こないなこと言われたら追いかけないわけにはいかない。



青「亮、すばるが！」



何処にいるかも分からないのに足が勝手に動き出す。

すばるに何かあったら俺は……。



「コイツ、すげぇ弱いじゃん」


「このままなら望み通り殺せるんじゃね？」



外に出て路地裏に行くと横たわるすばるの姿。



黄「すばるに手を…」


「お前等、最低だな」



俺の言葉を遮るように聞こえてきた声。

声が聞こえてきた方を見ると松潤がいた。



赤「……松本」



すばる君の目には俺やなくて松潤が映る。


あぁ、俺はまた助けることができなかったんや。


大切な人を守れない俺なんかよりも

ピンチの時に守ってくれるような存在の方がええよな……。


俺は組に戻ろうとはせず黙ってその場を立ち去った。

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