07-■Gratitude ページ7
.
突然のリリア先輩の登場に驚きつつ、咳払いして何とか平常を保った。
「…リリア先輩！ 悪戯が過ぎます」
「すまん。お主の反応はつい面白くての」
「シルバーに言いつけますよ！」
「おー怖い怖い」
怖いなんて一ミリも思ってないくせに……。
お夕飯まで付き合わされるのはごめんだ。
さっさとかわして自室に戻ろう。
リリア先輩の横を抜けようとした時、思い出した様に「A」と呼びつけられる。
「お主、彼奴に勉強を教えてもらったのじゃろう
礼は済ませたのか？」
「…あ、そういえば、お礼……でも、今マレウス様から、キングスカラー先輩には接近するなと言われたばかりで」
「くふふ、マレウスには内緒だ。わしが許してやろう。人間界では礼儀を重んじるのじゃろう？」
「はい、その通りです。流石リリア先輩」
私の安いお世辞にも、リリア先輩は大層嬉しそうに可愛らしい口を開けて笑う。
この人は時々ぶっ飛んでいるけれどシルバーを育てただけあって、一番信頼を置いている。
何せ人好きで愛嬌があって大事な事には口が堅い、何だかんだストッパー役の大事な人…。
「Aは褒め上手じゃな」
「…読心術いちいち使わないでくれますか？」
……うーん！そうか。それにしても、お礼かあ。
あの時はキングスカラー先輩にペナルティを受けない様必死に手を動かしてたから思い立たなかったけど。
よし、やっぱり何かお礼しよ。
「＿＿Aくんっ。どうしたんスか？」
「っえ、わ、びっくりした！」
「シシシッ、良い反応っスね」
目の前にぬっと出てきた手袋越しの手。
そして耳元でラギーの声が聞こえて、驚きに肩が跳ね上がる。
授業中キングスカラー先輩へのお礼を考えていたら、いつの間にか終わっていたらしい。
すると私を驚かせた彼は上から私のノートを覗き込んで数回目を瞬かせた。
「このノートの端に書かれてる…キングスカラーって、レオナさんっスか？ お礼って？」
「そうだ。丁度よかった、ラギー」
「ん？」
ラギーはキングスカラー先輩に一番近いし、きっと彼の好きな物等熟知してるだろう。
事情を説明すればすぐに次々に出てくるアイディア。
忘れない様に必死にペンを動かした。
(後はドーナツが良いんじゃないスかね)
(…それラギーの大好物じゃん)
.
08-■Appointment→←06‐■Over care
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 762人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「ツイステ」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
小豆 -azuki- - とっても面白かったです！レオナさん大好きなので、二次創作でも本人らしい言動で書いてくださっていて読みやすかったです！私はゲームはこのお話のところまで行けていないので、ストーリーを早く進めたくなりました！面白い楽しいお話をありがとうございます！ (2021年1月11日 2時) (
レス) id: a6a087e4cf (このIDを非表示/違反報告)
おそらまめ(プロフ) - あやかさん» あやか様、最後までご愛読ありがとうございました！この作品は残念ながらここまでです！後のお話は読者様のお好きな様に想像を膨らませて頂けると嬉しいです…！ウワァなんて嬉しいお言葉…身に染みます。ありがとうございます…！ (2020年11月29日 9時) (レス) id: 77433e9bba (このIDを非表示/違反報告)
あやか(プロフ) - すごく面白かったです！！キュンキュンしましたー！続編なんてない…かなぁ…なんて。もう本当に、終わってしまうのが勿体ないくらいです！！もっと見たかったー！ (2020年11月28日 0時) (レス) id: 674992aea4 (このIDを非表示/違反報告)
おそらまめ(プロフ) - ま。さん» コメントありがとうございます！その一言、心に染み入ります！感想聞かせて下さり感謝いたします！ありがとうございます(^^) (2020年10月26日 11時) (レス) id: 77433e9bba (このIDを非表示/違反報告)
ま。 - 面白かったです！ (2020年10月25日 22時) (レス) id: cd9d134222 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：おそらまめ
| 作成日時：2020年6月30日 22時
