甘い獣のように(Masai)※ ページ2
ギュッと抱き締めた身体は
少し震えていて、愛しさが増した
「襲ってもいい？」
その一言の後には、眼前いっぱいにマサイの顔。
近すぎて目と目が合っても逸らせない距離。
答えを待たずに重ねられた唇は熱く、ふと離れたのも束の間
今度はぬるりと舌が侵入する生暖かい感覚。
何も考えられない、脳が麻痺してるみたいに。
『ん…ぅﾝ』
自分が発したとは思えないほどの甘ったるい声、それが恥ずかしくて身を捩るが
マサイの腕に抱き締められたことで静止される。
「逃げないで、」
僅かに離れた唇の隙間から吐息と共に低い声が漏れる。
細いくせに力強い腕は、やはり男の人なんだな…と認識させられたのも束の間
隙間を埋めるかのように、また深い口付けが交わされる。
彼の熱が自分に伝染っているみたいに、どんどん身体は熱くなって
知らぬ間に涙が頬を伝っていた。
『まっ…マサイ、くん』
「っ、…ごめん！」
我に返ったかのように勢いよく体を離せば、二人の間に冷たい風が流れた。
「Aちゃん…ごめん、つい…」
罰が悪そうに俯いたマサイの手は少し震えているように見えて、それが酷く悲しかった。
ちがう、嫌なんかじゃない
ただ驚いたのと、愛しさで胸がいっぱいになって溢れた涙。
あなたを、きずつけるためのものじゃない
どうにかそれを解って欲しかったけど
言葉が声にならないから
Aはそのままマサイの首に腕を回して
キュッと留めるように抱き締めた。
｢え、Aちゃん？｣
『っ…だいすき、だから』
｢……ん、おれも｣
Aは少し体を離して、鼻先が触れ合う距離で真っ直ぐに見詰めた。
するりとマサイの肩にかかっていた髪が落ちたのを合図に、そのまま唇を押し当てた。
ぎこちないキス
『…襲っても、いいよ』
背中に回されたマサイの腕に力がこもった。
｢めいっぱい優しくする｣
耳元で囁かれたそれは
いつもよりワントーン低くて甘ったるい音で
Aは身体の芯がゾクリとするのを感じ、目を閉じた。
｢あいしてる、｣
end！
続く
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Ｋ(プロフ) - ぬさん» 楽しんで頂けて光栄です！コメントありがとうございます！短編集１の方に詳細載せておりますので、ご一読くだされば幸いです(^O^) (2020年11月10日 0時) (
レス) id: c4cdd82739 (このIDを非表示/違反報告)
Ｋ(プロフ) - ffchr09さん» わぁあ！待っててくださったのですね！(´；ω；｀)ありがとうございます！更新がんばります！:*:・(*´ω`pq゛ (2020年11月10日 0時) (レス) id: c4cdd82739 (このIDを非表示/違反報告)
ぬ(プロフ) - いつも楽しませてていただいています！飴色の夕空 という作品にはどうやって行ったらいいのですか？ (2020年11月6日 0時) (レス) id: b9d88ab921 (このIDを非表示/違反報告)
ffchr09(プロフ) - 待ってました♪更新楽しみにしています！ (2020年11月3日 18時) (レス) id: 3038f6a4cb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Ｋ | 作成日時：2020年10月14日 2時
