第五十三 ページ5
壁さんと貂ちゃんの手当をしている中、微かに信の「俺達の勝利だァ!!!」と言う声と共に歓声が聞こえた。
夕「あちらも方がついたようですね。」
壁「……ああ。」
夕「壁さんの方の傷は大丈夫ですか?」
壁「……ああ。」
どこか壁さんの様子がくらい気がして、「壁さん?」と顔色をうかがうと、彼は涙を流していた。
壁「今回の反乱、信と夕には本当によく助けられた。下僕だからとかそんな事関係なく、君達が居てくれて良かった。……漂を守れなかった事、本当にすまない……。」
夕「……っ。」
生まれて初めて、"居てくれて良かった"と言われた。
戦争で親を無くし、引き取らた先ではただのお荷物でしかなくて、いっそ自分も一緒に死んだ方が良かったんじゃないかと思っていた。
そして、王弟の反乱に巻き込まれた漂の死が無駄ではなく巡り巡って誰かのためになっていた事に嬉しく思った。
つられて私の目からも涙が溢れていた。
·
貂ちゃんは急所を刺されていたが
ただ、止血する際に女である事を壁さんに知られてしまうが、それは秘密にしてもらったらしい。
その夜、王宮には至る所で山の民と民が楽しそうに酒を交えながら話している頃私はその輪には参加せず、王宮が一望できるほどの高塔から空を眺めていると、
「夕…。」
振り向いた先には大王様がいた。
嬴政「今回の事、お前に救われる場面が幾つもあった。礼を言うぞ。」
夕「…いっ、いえ、私は何もしていません。」
左慈もランカイも信達が倒してくれていたおかげ。私は何もしていないし何かできたわけでもなくて、申し訳ないと思った。
でも、それよりもまず──
夕「大王様がご無事でいる事がなによりの幸せです!」
少しづつほんの小さな小さい事だったが少なくとも夕の気持ちに変化があったのは確かだ。
それは嬴政も同じく。
『大王様がご無事でいる事がなによりの幸せです!』
そう言って笑った彼女を見て笑みを浮かべる大王様
(全く、俺はいつからお前に心惹かれていたのだろう。)
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どうも、星の空です。
王座奪還編やっと書き終えました。
何か区切り?がおかしいと思いますが、とりあえず第一章が終わったので第二章に進みます。
本当はこれを一作で収めたかったのですが、
よろしくお願いします!
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モモ(プロフ) - メッセージが続いてしまいごめんなさい。この作品のお陰でキングダムの漫画を読んでみよう!と思いました。これからも応援しています。次の更新がいつになるかわかりませんが、とても楽しみにしています。 (8月15日 22時) (レス) id: a95e8dfc3d (このIDを非表示/違反報告)
モモ(プロフ) - すみません...。慣れていなくて先程、書き終わらないままメッセージを送信してしまいました。私は最近キングダムの映画を見てこの小説に出会いました。とっても大好きです!!作者様が今はどうかわかりませんが、私は今高校生で生活の息抜き、楽しみとして読んでいます (8月15日 22時) (レス) id: a95e8dfc3d (このIDを非表示/違反報告)
モモ(プロフ) - はじめまして! (8月15日 22時) (レス) @page10 id: a95e8dfc3d (このIDを非表示/違反報告)
ままま - めちゃくちゃ面白いです。最近映画の最新作を見て、キングダム最熱しておりました。その折にこの小説に出会い一気に読んでしまいました。続きが気になりどうにかなりそうです。暑い日が続く昨今ですが、どうかお体には気をつけてご自愛のほどお祈りいたしております。 (7月31日 15時) (レス) @page10 id: c2c76806e1 (このIDを非表示/違反報告)
星の空(プロフ) - 心さん» ありがとうございます。これからも頑張ります(^^) (2022年9月23日 11時) (レス) id: 7bf82b942c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:星の空 | 作成日時:2020年3月21日 22時