教えて、結び方 2 (ページ34)

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駆け出した先はドラッグストアで、風邪の時に必要そうなものを思いついただけカゴに入れてレジに向かった

外を出た私は迷わず電話をかけた

「環ちゃん！サンタコス持ってたりしない！？」

環「はぁ！？」

環「あわてんぼうのサンタクロースかよ」

そうやってツッコミながらも私の身だしなみを整えてくれる環ちゃんには感謝でしかない

ダメ元で掛けてみた電話だったが、そういえば妹が持ってたなってまさかのお家にサンタコスがあった環ちゃんの家に向かった私は、冬なのに汗だくだった

事情を説明したら、バカップルじゃん！ってニヤニヤしながらノリノリで協力してくれた

環「ふふっ、Aかわいいよ、長瀬くんの風邪も治っちゃうかも」

「うん、だといいな。環ちゃん本当にありがとう！」

環「はいよ！じゃあ頑張ってね、長瀬くん限定のサンタさーん」

そう言ってお見送りしてくれた環ちゃんに背中を向けて歩き出す

タイツを履いているけど下はスカートだし、コートを羽織っているけどこんな格好をして外を歩いている自分改めて痛いなと思う

いやまあこれも、全部、長瀬くんがどんな顔するかなって

多分驚くだろうし、何で来ちゃったのって思われるかもしれないけど

だけどきっと最後には喜んでくれるんじゃないかって思うから

付き合ってから数回遊びに来ているけど、未だに緊張が走る長瀬くん家の玄関前

ここまで来たのに心臓の鼓動はずっとバクバクだ

瑛朝「誰ですか！」

「えっ！？！」

瑛朝「Aちゃんだ！」

後ろからの大きな声に更に大きな声で驚いた私の前には、長瀬くんの弟の瑛朝くんが立っていた

瑛朝くんとは何度か顔を合わせていて、お兄ちゃんの彼女のAちゃんって覚えてくれている

瑛朝「どうしたの？」

「あっえと⋯」

瑛朝「あ！もしかしてお兄ちゃんの看病しに来てくれたの？」

「そう！えっと、瑛朝くんは友達とクリスマスパーティーするんだっけ？」

瑛朝「うん！さっき家出たんだけど忘れ物しちゃって、取りに来た！今ドア開けるね！」

そうニコニコ笑顔の瑛朝くんは、玄関を開けてすぐにリビングにあった荷物を取りに行き、

Aちゃんお兄ちゃんのことよろしくね、と

そう小声で呟いてお家を後にした

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