教えて、結び方 2 (ページ14)

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長瀬「結局あの日の深田のキスも、ずっと付きまとわれてた女の子にキスしてくれたらやめるって言われたからしちゃったらしくて」

まあ、だから、深田は本当にいい奴で、本当最低で最悪なのは、あの時踏みとどまれ無かった俺だけなんだよね、って

中学の時の出来事を話し終えた長瀬くんはまた苦しそうな顔をしてそう言った

「.......最低、なんかじゃないよ」

長瀬「えっ、」

「最低なんかじゃない」

声を発するのが怖くて、震えてるけど

どうか伝わってほしい

長瀬「...ん、ありがとう」

下を向いてそっと微笑んだ長瀬くんは、膝に置いた手をぎゅっと握りしめていた

長瀬「お祭りの日にね、久しぶりに雫さんのこと見て、あの時の自分のこと思い出して、なんかこの辺が気持ち悪くなっちゃて」

どうしたら良いか分からなくて、

そう俯いた長瀬くんは私の方に向き直って

あの時佐々木さんの手振り払ったこと後悔してた、本当にごめんなさい、と頭を下げた

それに対して、思い切り首を振って、全然大丈夫だよって伝えた

「話してくれて、ありがとう」

長瀬「うん、俺も、聞いてくれてありがとうね」

「…あの日の苦しそうな長瀬くんは、その、中学の時のこと思い出したから、なだけ、？その、、、雫さんのことまだ好きとかって言うのは」

長瀬「ん、それは無いよ」

長瀬くんは真っ直ぐ私を見てそう言った

本当にあの時のことを思い出しただけで、もう一切気持ちはない、と

長瀬「…でも、佐々木さんに申し訳ないって思っちゃったかも」

「え？」

長瀬「雫さんみたいな幼なじみが深田にいるって言ってなかったし、まさかああやってバッタリ会うと思ってなかったから、あんな所、見ちゃったらキツイでしょ」

背中押すとか言ってんのに、言ってなくてごめんねと謝る長瀬くんを見て、

本当に真っ直ぐでブレない人だなと思った

そっか、あの日の私を心配してくれる長瀬くんは本物だったんだね

「深田先輩ね、雫さんのこと大好きみたいだよ」

長瀬「………え？」

「深田先輩と2人になった時に言ってた、好きな人だって」

マジか、そうなんだ、雫さんだけじゃなかったんだって驚いて、

私の方を見てまた苦しそうな顔をするから

もう、嘘つかなくてもいいかな

私の嘘で苦しんでくれる長瀬くんなんて居ちゃダメだよね

私が長瀬くんを苦しめてどうすんの

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