教えて、結び方 2 (ページ11)

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長瀬 side

前に深田に聞いたことがあった

『深田は恋愛しないの？サッカーばっかじゃん！』

深田『俺恋愛とかよくわかんないんだよねー、好きって何、人好きになるとは！って感じ。ボール蹴られれば何でも良いや』

マジか、ってちょっと引いたのを覚えてる

まあ全然そういう人はいるとは思う、だけど、

あんなに分かりやすく人から好意を向けられているのに、と思ったっけ

こんなビショ濡れで泣いてる雫さんを見て少し同情した

振り向いて貰えない限界でも来た、とか？

『とりあえず、風呂入ります？』

雫『…やだ、あっためて、結星の部屋行きたい』

ダメって言ったら今にでも泣き出すんじゃないかって顔をしていた

この人もしかして俺の好意に気づいてる？俺が断れないこと分かってるでしょ

『汚いっすけど、どうぞ』

こんなことになるなら部屋片付けときゃ良かった、なんて、その時は頭がいっぱいいっぱいでそんなことを考える余裕もなかった

雫『ねぇ、結星はさ、キス、したことある？』

『……………ない、すけど』

雫『私もない』

それは突然の出来事で、一瞬すぎて、理解が追いつかなかった

目の前には涙を浮かべて頬を赤くする雫さんがいて

その唇を見て、キスされたんだって気が付いた

雫『私はずっと竜生が好きだったから、キスなんて初めてだよ』

『……っ、何で』

雫『なのに、竜生、さっき部室の裏で隣のクラスの女とキスしてた、しかも長くて深いやつ、ねえ何で？私がこんなに竜生のこと好きなのに、ねぇっ、ねえ何でっ！！』

『ちょ、雫さん落ち着いて』

今にも暴れ出しそうな雫さんをギュッと抱きしめた

深田が女子とキス、何で、恋愛する気になったのか？じゃあ何で雫さんじゃない女子と何だよ

頭でいろいろ考えてたら、雫さんに頬を撫でられてドキッとする

雫『結星はさ、優しいよね』

『普通っすよこんなの』

雫『私の事好きだから優しいの？』

…この人、本当に

『…何でそうなんの』

雫『ねえ、私の寂しさ埋めてよ』

ベッドに倒されて、そっからはよく覚えていない

だけど、行為中

りゅうせいって俺見て呼ぶ雫さんにイライラして、でも怒れなかった

中2の夏、俺は付き合っていない女子とそういうことをした

ずっと振り向いて貰えないと思っていた相手に、好きな人と重ねられながら、した

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