教えて、結び方 (ページ10)

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咄嗟に口に出たセリフに焦っていたらまさかの北川くんからおっけいされてしまい、尚更焦りが止まらない

『代わりにやりたい』、だなんて何を言ってんだ本当に！

いや、でも、長瀬くんがやっていた仕事、同じ仕事、って考えてたらやってみたいなあって気持ちになって、

つい口に出してしまった

実際長瀬くんは1人で当番やってたし、多分北川くんも1人で大丈夫だったと思うのに、何だか申し訳ない気持ちだ

拓実「佐々木さん、カウンターと本の整理どっちやりたいとかある？」

「あ、えっと、じゃあ、カウンターかな」

拓実「おっけ、カウンターのやり方は」

「あっ、中学の時図書委員やったことあるから、多分大体は分かるかも！」

拓実「そっか！じゃあ一応こっちが1年生のファイルで、これが2年、こっちが3年って感じで。後は、貸出期限2週間ってことを渡す時に言って貰えれば大丈夫」

「分かった、い、いろいろごめんね、なんか」

拓実「ううん、全然。むしろありがたくて助かります笑」

北川くんの暖かすぎる微笑みに心が浄化されながらカウンターに座った

「いい人だな北川くんって」

椅子に腰かけると急に緊張が走る

「長瀬くんも座ってた椅子...」

ここでニヤつく私はかなりキモい、んんっなんて適当に咳払いをして誤魔化す

それにしても案外暇だなあ、借りに来る人って意外といないんだなあ

北川くんがテキパキ本の整理をしているのが見える

忙しそう、やっぱちょっと申し訳ないなあ、いやでも本当だったらカウンターも整理も1人だったのか、

じゃあやっぱり助かってるのかな

そう言えば長瀬くんはカウンターしかやってなかったな、ちょっとズルしてたってことか

ええ〜〜〜、可愛いなあ、

とか思っちゃったり

恋は盲目ってやつだ

はぁ私、本当めちゃくちゃ長瀬くんのこと好きなんだなあ

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