教えて、結び方 (ページ1)

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環「湧先輩、なんだよね」

高校1年の6月、親友の環(たまき)ちゃんは恋に落ちたらしい

環「3年の、バスケ部の！」

「あぁ、すごい有名な人！」

元木湧先輩

入学して早々その名前をたくさん耳にした

『湧〜！おもろいことして〜！』なんてガヤから、部活動紹介で一発ギャグを披露し笑いをかっさらっていた湧先輩

『元木！はやく課題出せお前！』なんて廊下で大声で先生に怒られていた湧先輩

明らかに"陽"がありふれている先輩だ

「でもなんで！？だって私ら湧先輩なんかと真逆の属性じゃん...環ちゃん陽キャに手出すなんてどうしたの！？」

そう、私も環ちゃんも陽キャとは掛け離れていて、だからと言って陰キャって訳でもないけど、まあ陰キャよりの一般人、というか、まあみんな一般人なんだけど、

とりあえず、3軍よりの2軍、ってところ

もしくは、3軍の中の上

環「それがさ、私がこの前、自販機の前で人にぶつかっちゃったときに、思い切りメガネが落ちちゃったのね」

「え！？そんなことあったの？ねえ大丈夫だったの？」

環「ちょ、聞いてって！大丈夫だったの、ありがとね笑」

「よ、よかった」

環「それでね？おい！って声が聞こえたと思ったら、湧先輩で」

湧『おい！ちょ、この子に謝れよ！っておい！なんだよ足はえーな誰だよアイツ！』

環『.........あ、あの、』

湧『あ、わりぃ。引き止めて謝らせようとしたんだけど、ってかメガネ落ちたよね！？大丈夫！？探そ！』

環『っは、はい！！』

環「って、なって、メガネ一緒に探してくれて。謝罪とか、別に良かったんだけどね？人にぶつかったのに謝らないとかありえねえ！って言ってて、すごい誠実な人だなあって。あと、単純に優しくて、なんか性格もだし話し方もだし、それと、表情がね、ほんと、すごい優しい顔で私と話してくれててね」

湧『見つかってよかった！じゃ、気を付けてね』

環「去り際に目見ながら頭ポンッてされたの」

「...それで、恋に落ちた、と」

環「...うん！」

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