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勢いに任せて、走る。
走って、走って、
自分の部屋に着いたら、
ポストからはみ出た見覚えのあるものを発見して、ポストを開けた。
そしたら、
........涙が出てきた。
『ごめん』
貸してた本と、３文字のメモ用紙と、
.........それから、りんご味のチューハイ。
うぅ、って今更、気持ちが溢れて止まらない。
そんなときに決まって私を救ってくれるのはあの人しかいない。
健「Aちゃん........」
後ろであなたの声がして、それだけでも胸がギュッてなる。
「健人さんッ........」
.......きっと私がひどい顔をしていたからかわいそうに、って思ったんだろう。
何の前触れもなく、健人さんが、手に持ってた荷物を落として、
空いた両手が私を包み込んだ。
健「良かった、戻ってきてくれて」
健人さんの胸はやっぱりあったかくて、健人さんのにおいがした。
「ごめんなさい、私、あのときは.....」
健「Aちゃんは謝らなくていいんだよ。
俺のこと、許さなくてもいい。
けど.........話だけ、聞いてほしい。」
ぎゅ、って包み込む力が強くなったから、それに答えるように、うん、うん、って頷いた。
健「部屋........入って........」
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作者名：リンゴ | 作成日時：2016年5月29日 17時
