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健「俺にとっての夏川ファンデビュー作が、これだったんだよね」
健人さんはビールを2本開けて、私はチューハイ1本だけだったからすぐ飲み終わってもうウーロン茶も2杯目。
お酒も入ってか、いつもより健人さんが饒舌だ。
「そうなんですね。でもこれ、夏川さんのデビュー作だから、出版されたの結構昔でしたよね?」
健「うん。俺が小2のときだったから、もう10年以上は前だね」
「最初に夏川さんの本を読んだのって、何歳のときだったんですか?」
健「んー。あんまはっきりとは覚えてないんだけどね、多分小学校高学年だったと思う」
「へぇ〜、意外。笑
もしかして結構インテリ系だったんですか?」
健「インテリ系っていうか、インドア系かな。笑
周りはドッヂボールだとかで外に駆け出してく昼休みとか、俺だけ教室で本読んでたし。」
「........。
それ、私だったら絶対声かけないタイプ。」
健「何だそれ、失礼だな。笑
でも、部活はちゃんと入ってたよ、サッカー部だったし。」
「えぇー!もっと意外!!笑」
お酒の力なのか、どんどん話が弾んで、子供の頃の健人さんの話をいっぱい聞くことが出来た。
健「小学生のときの夢ってさ、まだ、仮面○イダーになりたいとか、プロ野球選手とか、それが平均的じゃない?
そんな中、『僕の将来の夢は、弁護士です』って作文で発表したときさ、親とかちょっと苦笑いみたいな反応だったんだよ、周りのみんなもはてなって感じでさ。
どうせ覚えたての単語を使いたかったんだろ、って、せいぜいそんなもんだったの。」
健「でもね、その時の担任の先生が、『素晴らしい夢だね。目標は達成するためにある。中島くんもきっと、達成できるね』って、
めちゃくちゃ褒めてくれて。
なんか、今思えば、すっごい恥ずかしいエピソードなんだけど。笑」
「ううん、そんなことないです。素敵です。
小学生からの夢を持ち続けて、10年たってもまだ追い続けて。」
「素敵だし、尊敬します。かっこいいと思います。
その担任の先生も。」
本当に、心底感心して、素直にすごいと思った。
健人さんは、そんな私の拙い言葉を一生懸命聞いてくれて、
キラキラした目のままで、
健「ありがとう」
って、照れたように言った。
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作者名:リンゴ | 作成日時:2016年5月21日 23時