愛を知らない君へ3〜Sho〜

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紫「奈々子…

なんでこんな所に…。」







「紫耀こそ、こんな所来るような人じゃなかったのに…。」








そう言って悲しそうな顔をする女の人を

切なそうに見つめる紫耀くん。





私なんかが間に入れるような空気じゃなくて

どうしたらいいのか下を向いたままでいる私。







「ねえ、その子新しい彼女？」







紫「いや、ちゃうけど…。」







「じゃあ、私と一緒に見てくれない？パレード。」







紫「そんなの無理に決まってるやん。

それにお前にも友達居るやろし…。」







「私は大勢で来てるから大丈夫だよ。

それにあの時約束したよね…？

いつかディズニーのパレード一緒に見るって。」







紫「そんな前にした約束なんか忘れたわ。

それに俺は今日はコイツと２人で来てるから。

もう邪魔せんといてや。」





私の手を引っ張って歩き出そうとした紫耀くんの

逆の手をその女の人は思いっきり引っ張った。





紫「ちょっ！お前なにすんねん！」







「お願い、一度でいいの。

一緒に見て欲しい。」







『紫耀くん、私は大丈夫だから

その子と一緒に見てあげたら？

ほら、私は今日充分園内一緒に周って楽しかったし

パレードはついにこの間廉くんと一緒に見たしさ。』







「この子もこう言ってくれてるし、お願い…。」









紫耀くんは少し考えて、掴んでいた私の手を離して


「ごめんな…」


そう言って私の方を申し訳なさそうに見た。







『ううん、大丈夫だよ。

じゃあ、邪魔しちゃ悪いし、私は帰るね。

今日はありがとう。』





無理やり精一杯笑顔を作って、私は走ってその場を去った。

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